少女、少年を拾う
新章突入です
王都歴 1002年 少女は生まれた。
少女はすくすくと育ち可愛らしい少女となっていった。
だが、少女は成長するのつれ、その才は出て来た。少女から出る言葉は幼い少女の戯言として取り扱われていた。
少女は悩んだ。何故だ自分の発言は理解され無いのか?国のためならこっちの方が良いのでは無いか?と夜な夜な考えていた。
しかし、その答えはすぐに出た『自分より皆が劣っている』ということに気づいたからだ。
それから少女はこの世界に対し自分を『演じる』事にした。
ある時は無邪気な少女、ある時は姫など多くの役を演じた。
演じろことは別に苦では無かった。
しかし、少女の心は満たされることは無かった。心に穴が空いている様であった。
その日は雨が降っていた。
ふと、外に出たくなった。
兵士を二人連れ、町を散歩した。
散歩の時は姫の身分を隠すため、いつもとは違い、少し安っぽい格好をし、下級貴族を演じている。
しかし、その美貌を隠すことは出来ないので歩くたびに目立ってはいた。しかし今日は幸い雨であり、傘が上手いこと顔を隠していた。
いつもの町、いつも通りの店並、そんないつもの風景に少しばかり、変なものが写っていた。
路上に少年が横たわっていた。
通行人は無視・・・・・いや、空気の様に扱っている。
いつもの自分なら同じ様にしていただろう。
しかし、今日はそのいつもの風景の邪魔でしかなく、除けようと考えてていたが、自分は触るのもいやであり、自分で動いてもらおう
と思い話しかけた。
「あなた大丈夫?」
そう話かけると少年はの指が動いた。
その時何故かこの少年が気になった。
その理由は分からないが、今まで穴が空いていた心が埋まった様に感じた。
「あなたこのまま死ぬの?」
少年は動かなかった。
「分からないから、yesでは指を動かして、noでは動かさずにいてくれる?」
少年は少し指を動かしてみせた。
何故か少女は少年に対し好感を持てていた。
それが何なのかはわからないが、持っている事が嬉しく思った。
「単刀直入に聞きます・・・あなた死にたいですか?」
少年の指が動かない。
これは行きたいという事であった。その事が何故か少女は嬉しく思った。
そして、少女に一つの気持ちが生まれた。
『この少年はが欲しい』
その感情は狂気に満ち、恋にも似ていた。
「そう死にたく無いのですね。では、あなたの命渡しに捧げなさい、そうすれば、生かしてあげます。」
そう言い、少年を二人の兵士に城まで連れて行かせた。
少女はの顔は笑顔に満ちていたが、異常であった。
はい、ありがとうございました!
少女の話はしばらく続きます