6話 「始まりが終わり」
始まりが終わりだった今回の爆弾事件。
解除された爆弾は警察に引き渡した。警察の見解では爆発物であるのは間違いないものの見た目のわりに、中身はホームセンターなどで手に入るようなもので作られた殺傷能力が低いものだった。
いや、ホームセンターで揃えられるものでももっと威力に期待できるものが作れる。意図的に威力を弱めていると考えたほうが自然だろう。丁寧なことだ。
爆弾引き渡し後、時間も時間ということでその日の事情聴取は数時間で済され、後日より詳しく話を聞かれる運びとなった。
数時間の事情聴取では、事の運びの概要について言及された。話が進めば進むほどに音喜多の顔はドヤ顔へと変遷していく。しかし、主たる内容は『なぜ、すぐさま通報しなかったのか。』という点であった。
ほとんどの時間は、いい大人が警官に説教をされていたのが実情だ。説教する側に高千帆が混ざり、やいのやいのと朝焼けの中続けられた。
音喜多が警官に怒られ、それに高千帆が追い打ちをかける。それを音喜多が皮肉り、警官も高千帆も同じだと説教する。そうすると、それに音喜多が乗っかる。そんな小学生の口喧嘩に警察が混じって収拾がつかなくなっていった。
そして一つ、残された謎。
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よくぞ、あのヒントだけでここに辿り着けた。
では、ひとつイイコトを教えよう。
手紙は挨拶の始まりが重要。
では、また。正しき過ちの中に、
そこでお会いしましょう。
Xより。
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最後のメモ。
”正しき過ちの中に、そこでお会いしましょう。”
こればかりは、タイムマシンでも無い限り”時間”が過ぎるのを待つしかないのだ。
鶺鴒鳴頃の話だ。____
これで一章完結です。これから二章に入る前に数話本編以外のところの話を書きます。
”正しき過ちの中に、そこでお会いしましょう。”この謎の答えは物語の最後に明かされます。ぜひ意味を予想してみてください。ヒントは”火”です。