プロローグ
ゴォォォ
「ハアァァ!!」
「グッ! まだ...行ける...ハッ! うあぁぁ!」
強風が吹き荒れるなか、己の目的がために戦う者たちを照らす冷たい月が浮かぶそらに、一瞬の間も無く次々と命の灯火が消えていく荒れ狂う地をまるであざ笑っているかのように空から地上を見下ろす一つの影があった。
「ハァ これだから下等階級の兵士は嫌だって言ったのよ。どいつもこいつも悪魔一匹倒すのに何分かけてるのよ!」
ここは魔大陸。この世界には5つの大陸があり魔大陸は西の果てにある大陸だ。ここでは今、魔大陸の遥か遠くの東の果てにある天大陸にすむ天使たちが魔大陸にすむ悪魔との古き因縁を断ち切ろう戦争が起こっている。
「第2天使様!! 第4悪魔どもが不振な動きをしていると情報が!!」
一人の天使が空から地を見下ろす天使のもとへ駆け込んできた。
「第4悪魔が? へぇー、大変ね。」
見下ろす天使は報告を受けても動く気は無いようだが、報告に来た天使は鈍感のようで見下ろす天使がはなつどうでもいいと言うオーラに気づくことはなかった。
「第2天使様、第4悪魔と言えど油断はできません! 今のところある地点にとどまっているようです。奇襲をかけましょう! 奇襲作戦を実行する。余裕のあるものはこの作戦に参加せよ!」
報告に来た天使は奇襲作戦の知らせを伝えるように言った。
「誰も参加しなくていいわ」
「えっ! 第2天使様御一人で行かれるのですか!?」
報告に来た天使は驚きを隠せずに声が大きくなったが、報告に来た天使を見る、見下ろす天使の顔は冷めている。
「一人で行かないし、奇襲作戦もしない!」
「何故ですか!?今のうち奇襲をかけて潰しておけば後の心配も減ります!」
「貴方ってバカなのね。いいわ、バカな貴方に私から直々に教えてあげる。第4悪魔を始末しないのは、無駄な動力を使うからよ。あの悪魔どもはこの戦場から逃げ出そうとしてるのよ。」
「逃げ出そうとしてる? 何故?」
報告に来た天使の頭上には?マークが浮かんでいる。
「理由なんて私が知るわけないでしょ!? 生きたいとか死にたくないとか子供が産まれそうだとか怖いからとかそこらへんでしょ。いい? 戦場から逃げたいやつはほっとけばいいいの! 一度逃げたら一生弱者なんだから、未来に戦っても私がここで逃げなければ私は強者になり、弱者は強者に勝てずに死ぬ! 終わりよ」
「つまり、第2天使様がここでお逃げにならなければ近いうちあの悪魔と戦うことになっても第2天使様はお逃げにならなかったので、悪魔より強いことになり負ける心配はないと言うことですね!! 流石です!」
「当たり前でしょ! 私は第2天使、天大陸で二番目に偉いんだから。分かったらさっさと行きなさい」
「はい!第2天使様」
報告に来た天使は見下ろす天使に尊敬の眼差しを込めた目で一礼をして去っていった。
「ハァ、バカの対処はかたがこりそう。それにしても一番下の下等クラスじゃないのに何故逃げるのかしら? 攻めてきているのは第4階級よりも下の下等階級、第4悪魔なら生き残れるはず...私がでなければ。おかしいわ...」
ズドォォォォ
「な、何!?」
突然の音に見下ろす天使は驚き辺りを見回すと、500メートル先の天使軍の陣の中央に火柱が上がっていた。「何であんなところから火柱が......まさか!! あの第4悪魔どもの仕業か!? 」
「当たりだ。かんがはたらくようだな。」
「はっ! しまっキャァァ!!」
見下ろす天使の口から女々しい声が出ると直ぐに見下ろす天使の意識は遠退いていった。
のんびり物語が浮かんだら書いていこうと思っています