96.静かな夜に②
ガチャポンから出てくるアイテムがホログラムとなって表示されていく。
ワクワクしながら一つずつ内容を確認する。
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アイテム名:『火炎の闘気』
ランク :『 SR 』
説明 :
火の精霊サラマンダーと契約した際に習得できるスキル。
思念発動型で全身に火炎型の闘気を纏い、近づく者にダメージを与える。
同属性の被ダメージに対しては軽減される。
火属性の武器を持っている場合、その武器の属性威力をあげる補助機能が備わっている。
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アイテム名:『蝶ネクタイ』(女性用)
ランク :『 R 』
説明 :
装備すると小顔になる。
外すと元に戻る。
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アイテム名:『浄化のメダカ』
ランク :『 HR 』
説明 :
汚染された水域を規模関係なく一日で綺麗にする。
海水には使用不可。
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アイテム名:『カラミティ・ロッド』
ランク :『 R 』
説明 :
『魔樹カラミティ』の心木から造られた杖。
動きを鈍らせる『スロー』スキルが備わっている。
打撃で使うと『ドレイン』効果が発動され、『体力』を50奪う。
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アイテム名:『エルフの戦闘服』
ランク :『 HR 』
説明 :
身軽さを重視したエルフ族の正装。
精霊『シルフ』の加護が備わっている。装備すれば素早さと魔力が上がる。
露出度が高い。
『素早さ』+80
『魔力』+100
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アイテム名:『ラキュラスの洋服』
ランク :『 HR 』
説明 :
一角獣ラキュラスの力が宿った洋服。
戦闘時、認識阻害の効果が発動し攻撃対処から外れる。
『魔力』+50
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アイテム名:『乙女の眼鏡』
ランク :『 R 』
説明 :
AR機能が備わったお洒落眼鏡。
装備時、選択項目で5人の内イケメン一人を選ぶと、拡張現実機能が発動し選んだイケメンが現れる。
触れることはできないが耳元で愛の言葉を囁いてくれて、お願いも聞いてくれる。
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アイテム名:『シルバーフォース』(使い捨て)
ランク :『 R 』
説明 :
対象者の周りに銀色の燐光が漂い、対象者から半径10メートル以内の環境を快適な空間へと変える。
範囲内に入っている者もその恩恵を受ける。効果は8時間。
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アイテム名:『踏み踏みニャンコのダイヤモンド指輪』
ランク :『 HR 』
説明 :
寝そべれば背中を前足の肉球で踏み踏みしてマッサージしてくれる猫。
猫なので力はないが、ソフトタッチな力加減で眠りへと誘ってくれる。
普段はダイヤモンドの中でゴロゴロしていて、眺めることができる。
別名:『指輪ネコの飼育観察』
念じることによって出し入れ自由。
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アイテム名:『ニューゲートの指輪』
ランク :『 UR 』
説明 :
一度訪れたことのある街や村に一瞬で移動できる指輪。
一回使用するごとにソウルを3000消費する。
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アイテム名:『聖剣デュランダル』
ランク :『 SR 』
説明 :
『神剛石オリハルコン』で作られた神話時代の聖剣。
持つ者に聖なる力が宿ると言われ、とある法国の聖騎士部隊のエンブレムにもなっている。
事実、アンデット系の魔物を倒す力が備わってる。
法国の祖である英雄ソリダスが所持していたとされ、魔竜種『腐敗竜アスデルガー』との戦いで失ったと伝えられている。
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おお――!
カッコいいスキルアイテムが出てきたぞ! 『火炎の闘気』!!
思念発動型スキルで使い勝手が良さそうだ。それに『炎剣・イグニア』との相性もいいし、良スキルだな。
アイテムをタップし、スキル習得の起動言語を唱え習得をする。
直ぐに使ってみたいが、流石に部屋の中では使えない。それに今は真夜中だしな。
高揚した気分を抑える。だが、22連目でのガチャで結構いいものが複数出ていてテンションはマックスだ。
次は――。『エルフの戦闘服』? へー、エルフ族って戦闘用の衣装があるのか。
にしても露出度が凄いことになってる……。これ、リリィに渡したら――。
『いやっ! こんな破廉恥な服着れないわっ!!』
とか言うだろうな絶対。うん。まぁ、明日の朝にでも見せてみるか。能力的には申し分ないので、もしかしたら着てくれるかもしれない。
淡い期待を寄せつつ次のアイテムを見る。
もう一着衣服のアイテムが有ったのだが、『ラキュラスの洋服』は『エルフの戦闘服』は真逆で可愛らしいアイテムだった。
どちらかと言うとゴンザレスのようなタイプに似合う感じだ。これはゴンザレスにあげよう。
あと使えそうなのは――。お、移動系アイテムゲット!! 前は馬車だったけど、今回のは『ニューゲートの指輪』か。しかも『 UR 』!!
ソウル消費が半端ないけど、これはかなり使える。そうだ。落ち着いたらノアル村に挨拶に行くか。この世界に来てそんなに経ってないけど、ノアル村はこの世界の故郷って感じがするんだよな。
なんだか懐かしい思いに浸りながら最後のアイテムを確認する。ランクは『 SR 』だが神々しさを放っている剣。『聖剣デュランダル』――。
おー。神話時代の聖剣か。よく斬れそうな刃渡りしている。凄く良いアイテムなのは分かるが、その説明文ですごく気になる一文を見つけた。
魔竜種『腐敗竜アスデルガー』――。
この魔竜種の竜剣ありそうだな、いや、あるな絶対。うん。
ガチャを回してりゃその内入手できるだろうと思いながら、一通りみたアイテムの中から『火炎の闘気』を取り出しスキルを習得。
試し撃ちは明日にでもしよう。眠くなってきた目を擦りながら俺はゴンザレス達のベットへと寝転がった。
◇
翌朝――。
「着るの、絶対、いやっ!!」
リリィの声が部屋に響き渡る。顔を真っ赤にしてイヤイヤと顔を振っている。ゴンザレス達が起きた時にガチャを回したことを告げた俺は彼女達に入手したアイテムを見せたのだ。
その中でリリィにあげたいものがあると言って『エルフ族の戦闘服』を見せたら、今に至るという訳だ。
「ていうか、なんでシノのガチャスキルから私の村の服が出てくるのよっ! 私巫女になる予定だったから、この破廉恥な服着ることないと安堵していたのに!」
「あれ? この服リリィの村にあったのか?」
「そ、そうよ。女性の狩人たちが着る服なんだけど、だって、これ……露出度高すぎ」
真っ赤にした顔を手で覆うリリィ。その恥じらいが可愛い。嫌なら着なくてもいいのだが、ちょっとからかってみるか。
「でも、今着ている服より能力値は高いだろ?」
「ぐっ。そ、そうなんだけど……」
リリィは躊躇している。
その横でゴンザレスが俺の袖をちょいちょいと引っ張ってきた。
「マスター、私にくれた『ラキュラスの洋服』。リリィにあげてもいいですか? 私は前に頂いた服でも十分ですので」
「ゴンちゃん、私は大丈夫よ。その服はゴンちゃんに凄く似合ってると思うの。私に可愛い服は似合わないわ」
「そんなことないですよリリィ。じゃーこうしましょう。その『エルフ族の戦闘服』と『ラキュラスの洋服』の服を交換と言うことで――。
「だ、ダメ――!」
ワタワタとリリィが両手をぶんぶん振り始めた。
「ゴンちゃんにこんな破廉恥な服を着せれないよっ! ゴンちゃんに着せるくらいなら私が着るわっ」
いや、別に無理に着なくていいんだけど……。
プルプルと体を震わせながら、リリィはなんだか真っ赤な顔で決意の表情を浮かべていた。
「その代わりシノ! 他にもアイテム頂戴!」
「お、おう。別にいいぞ? 好きなの選んでくれ」
立体化したホログラム映像を操作し、リリィの前に表示させる。リリィは沢山あるアイテムの中から一つづつ確認していく。
「はっ――! こ、これは!!」
ぴたりと、あるアイテムでその動きが止まった。
「し、シノ! シノ! 私、これ欲しい!!」
「どれどれ」
ホログラム映像を確認すると、それは先日手に入れたアイテム『踏み踏みニャンコのダイヤモンド指輪』だった。
俺はそれを取り出すとリリィへと手渡した。
「えへへ、ありがとう。シノ」
「良かったですね、リリィ」
「うん!」
先程までの恥じらいはどこへやら、満面の笑みを浮かべるリリィ。恥ずかしさを打ち消すくらい、余程嬉しいようだった。
リリィの笑顔を見た俺は椅子から立ち上がり、扉へと向かう。
「あれ? マスターどこ行くんですか?」
「ん? ああ、昨日新しいスキル覚えたからさ、どんなものか試そうかと」
「ああ、そういうことですね。私もお供します」
「私も行く!」
「家の前で試すんだけどな」
子犬のように付いてこようとする二人に苦笑していると、扉からノックする音が聞こえてきた。
入ってきていいと施すと、扉が開かれ現れたのはソフィ。どうやら朝ご飯の準備ができたから呼びに来たようだった。
これから新しく覚えたスキルの試し撃ちをするところだと伝えると、ぜひに見たいというので皆で家の庭へと集まった。
「シノ、どんなスキルを覚えたの?」
「ん? ああ、火属性のスキル」
「へー。そういえばソフィのお兄さんも火属性のスキルを使ってたわね。全身に炎を纏ってたっけ。ソフィは氷だよね?」
「ええ。私と兄さんのスキルは精霊と契約して使える特殊スキルなんです。ですから、全身にそれぞれの属性を纏う事ができるのです」
ソフィはここぞとばかりに「えっへん!」と胸を張っている。王国騎士たる自信の現れのようだ。確かにあれ程のスキルを得たら誰でも強さに自身を持つだろう。
ソリリィ達がおしゃべりをしている間に、俺は肩を軽く回しながらゴンザレス達から少し離れる。
「それに契約する成功率はかなり低いので、この力を扱える人はいま――」
この辺でいいか。えっと、発動条件は念じればいいんだったよな。ふん――!!
ゴオオオオオオオオォォォ!!
全身から炎の柱が立ち昇り燃え盛る――。
「――せ……ん……?」
「――へ?」
腕を振り払うと火炎烈風が起こる。
試しに『炎剣・イグニア』を取り出すと、燃え盛る刀身が更に熱量をもち炎が荒れ狂う。
うん、強力すぎッ!! あぶねっ!
『炎剣・イグニア』をしまい『火炎の闘気』をおさめる。
「こんなもんか」
スキルの使用感を確かめた俺は一息つく。
「そろそろ朝食にしようか」
ゴンザレス達の方へ見ると、ソフィとリリィは絶句していた。特にソフィはプルプルと震えている。
「ん? どうした?」
「い、今の兄さんと同じ力じゃ……」
「ソフィ。気をしっかり持ってください」
事情を知っていそうなゴンザレスがソフィの背中をポンポン叩いてる姿が目に入った――。




