僕らは人並みに羅列り羅列る
掲載日:2026/07/29
ある日のこと僕は新聞を読んでたよ。
そこに載る君の訃報を見たよ。
84歳の君の名前がそこにあったよ。
君は僕と同い年のはずなのに。
急に君の死んだ世界に来たみたいだったよ。
新聞の中の君は84歳で脳卒中で死んでたさ。
君はきっと隣の火葬場で煙となって時間を遡ってあの日に生まれたんだろうって。
同姓同名の君じゃない君が死んでる世界がどこかじゃなくてここにあるって信じられるかい。
君がいつか84歳になったとき、22歳の僕がアルコール中毒で死んだって知らせを電子新聞で読んでよ。
その日に隣の僕に僕は死んだって羅列してよ。
紙一枚の世界の中では僕も君も他の僕や君と区別がつかない羅列だね。
さあもう会うこともないでしょう。
会うこともないから君と君らの区別なく羅列しちゃうよ。
それで君と僕はそれ以外と同位的に並べられて、世界は並びすぎた僕らの重みに耐えきれず、溢してしまうんだ。
溢れんばかりの羅列のための僕と君を。
羅列が崩れて雪のように白く降り積もり、その上に足跡の時系列。
それがテレビ欄になって僕はやっと新聞を読んだと気づくんだ。




