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学校自衛隊ー特別武装親衛隊 異世界に行ったり銀河に行ったり別の世界に行ったりする最強の部隊の物語  作者: yunu


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第4話 第一訓練日



第一訓練日

――制度という名の歯車が、子供たちを噛み砕き始めた日


その朝、校門前に立ち並ぶ車両群は、明らかにこの場所の性質を変質させていた。

深緑色の装甲トラック。無駄を削ぎ落とした直線的な車体。

そこに刻まれた政府紋章は、教育施設という建前を完全に否定する記号だった。


登校してきた生徒たちは、言葉を失ったまま足を止める。

誰一人として、それが何を意味するのかを理解できてはいない。

ただ、本能的に「昨日までとは違う」という違和感だけを抱いていた。


yunもまた、その一人だった。


彼は門の前で立ち止まり、胸の奥に生じた微かな圧迫感を無視するように、視線を校庭へと向けた。

理由の分からない不安。

しかしそれ以上に、不可解な静けさが気にかかっていた。


校庭には、学年ごとに分断される形で生徒が集められていた。

整列はしているものの、姿勢はまちまちで、統一感は皆無。

制服という日常の象徴が、異様なほど場違いに見える。


やがて、迷彩服に身を包んだ数名の大人が前へと進み出た。


「――静粛に」


張り詰めた声が空気を切り裂く。

それだけで、生徒たちの私語は止んだ。


橋田と名乗る男が、一歩前に出る。


「本日より諸君らは、学校自衛隊育成プログラムの被適用者となる。

これは選択ではない。拒否権も存在しない」


その言葉は、あまりにも一方的だった。


「本日は初日だ。

よって、実戦的訓練は行わない。

行うのは――基礎的身体能力の測定と、規律意識の矯正である」


その瞬間、数人の生徒の顔が露骨に曇った。


最初に課されたのは、走行訓練だった。


「校庭十周。

途中で歩いた者は、記録から除外する」


一斉に走り出す生徒たち。

だが、その勢いは長くは続かなかった。


数周もしないうちに、呼吸は荒れ、隊列は崩壊する。

足取りが重くなり、地面を蹴る力が弱まっていく。


yunも例外ではなかった。


(……苦しい)


肺がうまく膨らまない。

胸の内側が焼けつくように熱い。

脚は鉛のように重く、意志とは無関係に速度が落ちていく。


歯を食いしばって走り続けようとするが、視界が揺れ始める。


「おい、遅れているぞ」


教官の冷淡な声が飛ぶ。


yunは返事をする余裕もなく、ただ必死に足を動かした。

結果として、最後の数周はほとんど惰性だった。


記録は――平凡以下。

むしろ、劣等に近い数値だった。


橋田は記録表を見て、興味を失ったように視線を逸らす。


「……よくいる体力不足の子供だな」


その評価は、間違ってはいなかった。


続くのは、整列および姿勢矯正訓練。


「動作は迅速かつ正確に。

遅延、誤認、独断行動は即時是正対象とする」


号令が響くたび、混乱が生じる。


右と左を間違える者。

動きが一拍遅れる者。

恐怖から身体が硬直する者。


yunは、動き自体は理解できていた。

だが、疲労が蓄積し、反応が遅れる。


「……遅い」


橋田の声が、冷たく突き刺さる。


yunは俯きそうになるのをこらえ、前を向いた。

目立ちたくはない。

だが、脱落者として記憶されるのも避けたかった。


短い休憩時間。


生徒たちは地面に座り込み、水をあおる。

疲労と不満が、低い声となって滲み出ていた。


yunは校庭の隅に置かれた黒色の金属ケースに目を向ける。

不自然なほど厳重な造り。

鍵付き。複数人の大人が無意識に視線をやる。


(……あれは、何だ)


理由は分からない。

だが、胸の奥がわずかにざわついた。


訓練の最後、橋田は生徒たちを見渡して言った。


「諸君らは、まだ未成熟な存在だ。

身体能力も、精神的耐性も、戦力としては到底及ばない」


容赦のない言葉。


「だが、政府は諸君らを将来的資源として扱う。

それが現実だ」


沈黙が落ちる。


「ここでは、“子供だから”という言い訳は通用しない。

諸君らは、制度に組み込まれた存在だ」


yunは、静かに前を見つめていた。


身体は限界に近い。

脚は震え、呼吸も整わない。


それでも、心の奥底で、奇妙な感覚が芽生えていた。


――これは、まだ始まりに過ぎない。


訓練終了の号令がかかり、生徒たちは解散する。


帰路につく背中は、どれも重く、沈んでいた。


yunもまた歩きながら思う。


(……体力は、どうにもならないな)


だが同時に、

あの黒いケースを見た瞬間の感覚が、頭から離れなかった。


まるで――

自分が呼ばれているかのような錯覚。


その正体を、彼はまだ知らない。

初めてaiを使用してみました 確認はしましたがもし矛盾や読みにくい点などあればお知らせください

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