奴隷傭兵、因縁の戦い5
「う、うるさい!あんたみたいな人でなしが私に話しかけるな!」
「ハハハ!どういうカラクリでこれだけの妖魔兵を集めたのか知らないが、隣にいる連中の誰かが調教師だろうね。それを潰せば終わりというわけだ!」
ミレーヌの脅しにリアはごくりと唾を飲んだ。あの巨岩が飛んで来たら確実に死ぬ。アリシアはリアに小声で尋ねる。
「リアちゃん、まだなの?」
「ごめんなさい。遠くにいて、もう少しかかるの」
マズいわ、このままじゃ。ミレーヌは馬に乗りながらゆっくりと近づいて来る。もう投石出来る距離に近づいたのかしら?
「岩を投げていたのはあなたですか?」
「だったらどうだって言うんだ?」
話しかけたのはエルだった。エル、時間稼ぎのつもりかしら。でも、そんな見え透いたやり方じゃ・・・・・・。
「凄いスキルですね。でも、あなたからそのスキルを取ったら何が残るんでしょうね?」
「クソガキ、私を挑発してるつもりか?生憎、そんな安い挑発には乗らないよ」
「・・・・・・言い方を変えましょう。バカのひとつ覚えのスキルで僕たちを殺せるかやってみろ!!」
ちょ!?何言ってんの?この子。なんで挑発しちゃってんの!?これじゃ時間稼ぎどころじゃないじゃない!
「ククク、いいだろう!それならお望み通り殺してやる!」
ほらほらほら!もうダメよ。大きく振りかぶったミレーヌを見てアリシアは完全にパニック状態に陥っていたが、視界の隅に何かが映った。えっ?その何かは直線的にミレーヌの斜め後ろから背中に刺さった。「矢!?」
アリシアの視線がその矢の放たれた方向を見ると、シャミルが矢を放っていたところだった。シャミル!?
「誰か忘れてないかーい?ミレーヌ。私はあんたよりムカついてんだよねー!」
まさか、ミレーヌの注意を引いてシャミルを視界に入らせないようにするために、わざと挑発したっての?エル、この子なんて機転と度胸なのかしら・・・・・・。
ミレーヌが思わずうめき声を漏らす。苦痛に顔を歪めながら背中に刺さった矢を引き抜いた。
「シャミル!!貴様ぁぁぁ!」
「覚えてくれていて感激だよー。衆目の面前であれだけ笑い者にしといて忘れられてたらショックだったよー」
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