奴隷傭兵、ブラニオール奪取戦2
西門から入っていくと、キングオークに矢の雨が降っている。残念だが矢ごときの威力じゃ、アイツの分厚い皮膚には傷ひとつつかない。目を細めると、土煙の先に馬に乗った人物が周囲に指示を飛ばしていた。
大剣の柄に指をかける。良い重さだ。戦場の風に乗って血の匂いが流れて来る。その匂いに誘われるようにして闘争本能が頭をもたげる。血流を流れる血が熱を帯び、やがて噴き出す汗が白く湯気のように立ち昇った。俺はそのままキングオークの脇を走り抜け、一気に距離を詰める。
「なんだっ、貴様は!」
「将軍、お下がりください!」
やっぱりそうかよ。コイツが将軍てわけか。俺は一歩前に踏み出して奴らの剣先を大剣で撫でるようにして真横に振った。前にいた五人は全員胴から上が無くなる。
「コイツ、いったいなんなんだ!?」
「てめぇらみたいな三下相手にするほど暇じゃねぇんだよ。そこどけ!」
言ってみたもののこれは逆効果だったみたいだ。余計に人が集まって来やがった。
「なんというバカでかい剣だ・・・・・・」
「コイツを止めろぉぉぉおお!」
再度、大剣を横に薙ぐ。すると今度も胴体と切り離された死体が五人加算された。
「おまえたち下がってろ。コイツは私が相手する」
「将軍!」
後ろで様子を見ていた奴が堪え切れずに出て来てくれた。
「てめぇが親玉かい」
「そうだが、言葉を知らないガキだな。戦うだけが取り柄では、いずれ身を亡ぼすぞ」
「俺は分をわきまえてるつもりだぜ。判断ミスったのはてめぇのほうだ、とっととケツまくって逃げるべきだったな」
「抜かせっ!」
おっさんのハルバートの一撃は鋭かった。素早い連突きで反撃の隙も無いほど攻撃で埋めていく、つもりなんだろうがキングオークに比べれば威力も速さも格段に遅い。
「軽いな」
「そんなバカでかい剣で何が出来るっ!」
ガスパール将軍はハルバートを振り上げ力に任せて思い切り振り下ろす。唸りを上げて振り下ろす一撃は今までのガスパール将軍の攻撃のなかでも格段に速い攻撃だった。
なるほど、今までの攻撃は抑えていたってわけか。確かにさっきより速さは上がったが・・・・・・。俺は黒い大剣を正確に相手の持ち手付近を狙って降りぬいた。刹那、おっさんの握っていた武器は手元からひしゃげて吹き飛んだ。そのまま空手になった相手の首根っこを掴み地面に頭を叩きつけた。
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