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奴隷傭兵、ブラニオール奪取戦1

「ベス・エ・サンターナを攻略してるロシュと傭兵団の連中に戻るように報せろ。同時に、西側の防壁を厚くする。弓隊の数を三倍にするんだ」


「将軍、たった今入った物見の報告です。妖魔兵のなかにはどうやらキングオークも存在するそうです」


 その報告を受けた瞬間、将軍含めた部下たちの表情が凍り付いた。


「キングオーク・・・・・・だと?バカな。そんな話、聞いたことない。もしその情報が正しければ我々五千の兵で立ち向かうこと自体が無謀になる」


「何かの間違いじゃないのか?」


「そうだ!部下が恐怖の余り見間違えたんじゃないのか?」


 周囲からも報告した部下を咎めるような声が上がり始めた時だった。ズ・・・・ズンという地響きが西の城壁から聞こえてくると同時に、床がグラグラと揺れる。


「私の目で確かめねばならん」


「将軍!危険です!」


 部下の制止を振り切りガスパール将軍は自ら城を飛び出し、西の城壁に馬を走らせた。その間にも二度城塞都市全体が揺らぐ。ガスパール将軍が西門に近づいた時、急に城壁の上にいる兵士たちが騒ぎ始めた。


「何事だ?」


「わ、わかりません。おい!何が起きてる!?」


 将軍の傍にいた部下が大声で尋ねるが、それに対する返事はない。代わりに悲鳴や叫び声が上がり始めた瞬間、固く閉ざされたはずの城門が轟音と共に凄まじい衝撃を受けて歪んだ。


 その衝撃が三度続き、いよいよ歪み切った扉は四度目には左右両開きの扉ごと城内に吹き飛ばされた。濛々と土煙が舞い上がるなか黒い大きな影が侵入してきた。誰かがその姿を見て呟く。


「ば、化け物だ・・・・・・」


 その一言をきっかけに占拠していたガスパール麾下の部隊は混乱の極みに陥った。


「きょ、拒馬槍を・・・・・・!」


「バカもん、今さらそんなもの役に立つか。弓隊はまだかっ!?」


「もう到着するはずです!」


「到着したら遠巻きに矢を出来る限り連射して放つよう指示を出せ。デカい的だ、狙いはつけなくてもいい。あの化け物さえ倒してしまえば後はなんとかなる」


 一方、エルとバーンはキングオークが城門を打ち破った後に妖魔兵を突入する後方からゆっくり入って行った。


「バーン、敵の目はキングオークに集中しているはずです。キングオークさえ倒してしまえば終わりとか思ってるに違いありません。突入したら将軍を捕らえてもらってもいいですか?」


「このなかにいるのか?」


「情報ではここにティアーマの将軍ガスパールがいるはずです。混乱してるこの隙に、彼を捕らえてしまえばこの戦は勝利です」


「わかった」


 キングオークが先行しているせいで敵の目を全部引き付けてくれるのはありがたい。お陰で俺や他の妖魔兵が完全にノーマークになってる。キングオークが最大戦力だと思ってもらったほうがこっちとしても都合が良い。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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