奴隷傭兵、新たな任務へ4
「でけぇな!」
「これから大きな妖魔とも戦っていくことになると思って、狂戦士の武器としてふさわしいものを考えてたのです。そしたら結局大剣しか思い浮かばなくて」
それを見ていた鍛冶屋の主人がこぼした。
「こんなデカい武器作ったのは初めてだよ。こんなの人間には扱えるわけないと思っとったが。なるほど、あんたなら扱えるかもしれない」
「手に取ってみて」
エルに言われるがままに、黒い大剣を手に取る。ズシリとした重さが伝わって来る。この重さならキングオークと戦ったときに押し負けることも無かっただろう。
構えて振ってみると今持ってる大剣より数倍は重い感じがする。だが、狂戦士化すれば全く問題はない。
「こいつぁいいな!」
「以前のより重量がかなり増しているけど、それ以上に材質の硬度が上がってます。バーンならこういうほうが良いと思って特注しておいたんですよ」
エルの奴、ほんとに色々考えてんだな。コイツのおかげでここまで来れた。今回の戦いは必ず勝って恩返しをしてやらねぇとな。
「エル、恩に着る。ありがとな!」
「今さら水臭いですよ。僕の話にバーンは真摯に向き合ってくれましたから、いつか恩返しがしたいと思ってたんです」
「なら、尚更今回の戦いは負けるわけにはいかねぇな」
「頑張りましょう!」
それから次の日には俺たちは西のブネ山脈の麓に戻って来ていた。ここで、妖魔兵たちの食料調達をしていく。襲った敵兵を食べさせてもいいが、余りに鬼畜過ぎて味方から敵認定されても困る。しっかりと準備をすると、三日後にはモル付近まで北上した。
「今回は緊急事態ですが、やることはいつも同じです。敵の虚を突きます」
「具体的にはどうするのー?」
シャミルが不安そうに尋ねる。今回の戦は今までと違い、負ければこの国そのものが消えることになる。もっとも、エルとしてもこのタイミングでここが消えるのはまずいと感じてるようだ。エルが描く戦略地図とは違った展開にはしたくないというのが奴の本音らしい。
「ガリスさんには、敵軍が州都ベス・エ・サンターナ、或いは北東のモナンに攻め込んだ時には狼煙を西の街モル付近の狼煙台まで上げてくれるように頼んであります」
「わかった!それで敵を挟み撃ちにするんだねー」
「まぁ、そんな感じです」
そんなやり取りをしてから数日が過ぎた頃、リアが騒ぎ始めた。
「バーン、エル!狼煙台から煙が上がってるみたいなの!」
どうやら見張りをさせていた妖魔兵が発見してリアに報せたようだ。俺たちも急いで確認してみると、確かにモクモクと黒い煙が狼煙台から上がっていた。
「敵が動いたようですね。僕たちも出発しましょう!」
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