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奴隷傭兵、新たな任務へ3


 ガリスによれば、ここの防衛は五千の正規兵と八千の傭兵で守ってるらしい。中心になるのは『ブルーフレイム』というAランクの傭兵団だ。この下に小さな傭兵団が指揮下に入っているという構図になる。


 現在は北東のモナンとここ州都ベス・エ・サンターナの二カ所で敵軍を牽制しながらなんとか戦線を維持できている状態らしい。それでも北西のブラニオールが落とされたことにより、敵軍の圧力が強まっている。


 新たな補給拠点としてブラニオールが機能してしまえば、州都の陥落は時間の問題らしい。それほど切羽詰まった状況ってわけだ。エルはしばらく自軍と敵軍の配置を聞きながら考えていたようだったが、ガリスにブラニオールの単独攻略を申し出た。最初はガリスも相手にしなかったが、エルの真剣な様子とこちらの数を聞いて態度を改めた。


「なるほどな。しかし、とんでもねぇなぁ」


「なにがだ?」


「いや、おまえら見てこの傭兵団は伸びるだろうなとは思ってたがよ。まさかこんな短期間に三千二百もの妖魔兵を集めるとは誰も予想出来ねぇってもんだろうが」


「それで、どうなんですか?僕たちに単独攻略の権利をもらえますか?」

ガリスはエルの言葉にしばらく考えていたが、溜め息をつくと「わかったわかった」と言って椅子に座った。


「その代わりよ、どんな構成と作戦でいくんだ?それだけ教えてくれないか?」


「作戦は教えられません。ですが、妖魔兵の構成ならかなりのものですよ」


 エルの語る妖魔の構成を聞いていたガリスの目はだんだん丸くなっていき、口はポカーンと開けっ放しになった。


「キングオークだと・・・・・・!?俺も長い間、色んな傭兵団を見てきたが妖魔兵にそんなもん使ってる奴らは見たことも聞いたこともねぇ。キングオークの討伐なんか一万の軍勢でも成し遂げられるかどうかって噂だぞ!?」


「うちにはバーンがいますから」


 なぜかエルが得意気になってやがる。


「ま、まぁ、たしかに狂戦士の能力なら成し遂げられるかもしれねぇが・・・・・・。それにしたって、討伐するより妖魔として従えるほうが遥かに難易度が高いんだぞ!?いったいどうなってんだ!?」


「バーンがいますからね!」


 なんかもう答えが雑だな。


「あ・・・・・・ああ、そうだな」


 そんなごり押しの答えで納得すんのかよ・・・・・・。


「正直三千の兵で拠点制圧は無理だと思ったが。キングオークがいるなら話は変わってくる」


「僕もそう考えてます。あれは戦略兵器みたいなものですから」


「わかった。そういうことならおまえらに任せる」


 ガリスから単独任務をもらい、州都の宿にその日は泊まった。夕方にエルはふらっといなくなり宿に戻って来る。


「バーン、僕からプレゼントがあります」


「なんだプレゼントって?」


「ちょっと一緒に来てもらえませんか?」


 エルと宿を一緒に出ると鍛冶屋に入って行った。エルが鍛冶屋の主人に声を掛けると、俺たちを奥へと案内してくれた。なかに入って行くと様々な武器や防具が所狭しを並んでいる。そのなかに異彩を放つひと際大きな剣があった。


「これです!僕からバーンへのプレゼントというのは」


 エルが指差したのは、その大きくて黒く光る剣だった。太さは今俺が使ってる剣の二倍ほど。長さに関しては俺の背丈より少し長いくらいの巨大な剣だ。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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