奴隷傭兵、新たな任務へ2
「それだけが原因とは思えませんが?」
エルが咄嗟に話題を逸らす。
「まぁ、確かにな。それは些末な話で、いくつか有力な傭兵団が向こうについたってのがデカいな」
「もしかして、そのなかに『高潔の薔薇』もいたりする?」
「ああ、確かいたはずだ」
ガリスの話にシャミル、アリシアとレオがお互いに顔を見合わせる。
「あいつ!敵側についたってわけね」
「ミレーヌが敵側に回ったならそれはそれで厄介だねー」
「彼女に当たる部隊は間違いなく苦戦するわね」
深刻そうに話をする彼女らにエルが怪訝そうな顔で尋ねた。
「そんなに強いのですか?」
「強い・・・・・そうだねー。強い。兵が強いというより彼女のスキルがデタラメなんだよー」
シャミルは首を振りながらお手上げポーズをする。
「どんなスキルなんだ?」
「対象物を巨大化させるスキルだよ。なんでもバカでかくすることが出来るんだー」
「そりゃ面倒くさいスキルだな」
「あれ、もっと驚くと思ったんだけど・・・・・・」
一応驚いたつもりだが、個人が強いってならなんとかなりそうな気がするんだよな。それより集団で嫌な動きをされるほうが俺としてはよっぽど怖い。
「そもそもバーンが規格外なんですよ。相手のスキルは十分気を付けないといけませんね。やはり、ここで決着をつけたいですか?」
そのエルの質問に瞬時に三人は頷いた。
「そりゃーやっぱりね。あれだけバカにされて黙ってられっかってねー」
「そうね。私たち彼女たちが困ったときには手を差し伸べてきたのに、スキルが発動した途端に散々雑魚扱いされたわ」
「挙句の果ては、私たちを最前線に派遣して盾として使ってあげるなんて言われました」
最後に普段無口なレオまで愚痴をこぼした。聞いた話ではそのミレーヌって奴は相当性格が悪いらしい。立場が逆転したら恩を仇で返すという最低な人間だということか。
「ガリス、そいつらがどこに参戦してるかわかるか?」
「わからん。というか、もうすぐここが戦場になるかもしれないって時に仇討ちに手を貸してる余裕なんかあるわけない」
「まぁ、それもそうか。んじゃ、落とされたブラニオールを取り戻せば良いんだよな?」
俺の質問にガリスは二度目をぱちくりして、笑った。
「そりゃ、やってくれりゃありがたいが、おまえらだけで出来るもんか!」
「ここの防衛はどうなってます?」
俺が言い返そうとすると、エルが冷静に状況分析を始める。こうなると俺の出る番じゃねぇ。
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