奴隷傭兵、新たな任務へ1
「バーン、使えそうなものありますか?」
「いや、俺は大剣しか興味ねぇからいいや」
「じゃー、私この弓もらうよー。レオは剣と盾もらったらどう?」
「皆さんが使わないなら・・・・・・」
シャミルが横から来て弓を取っていく。レオは、俺とエルの顔色を窺っていたので頷いて許可を出した。俺としては剣やナイフでチャンチャンバラバラやるより一撃で叩き潰す戦いのほうがラクでいい。そういう意味じゃ、もっとデカい大剣があってもいいくらいだ。
キングオークとやりあっても武器の重さで圧し負けない重量がありゃ尚良いんだが。俺がそんなことを考えてる間にも武器の配布は進んでいき、最終的には八割がたの妖魔兵の武器は調達出来た。
残り二割、約六百ほどの妖魔兵の武器は、元々奴らが持っていた武器のなかで比較的マシなものを選別して装備させる。
「これで相当な戦力アップが出来ました!これならそこらへんの部隊では手も足も出ないほどでしょうね」
「だいぶ期限が過ぎちまったが、ガリスのおっさんが言ってた北での戦に参加出来りゃいいんだがな」
「そうですね。あれから一か月も経ってしまったので、さすがに今から参戦は厳しいかもしれませんが、様子を見に行ってみましょうか?」
エルの提案で俺たちはすぐに北上して、州都ベス・エ・サンターナに向かった。アニーにクリーンの魔法を毎日かけてもらってるお陰で森のなかでの野宿生活もかなり快適に過ごせている。
そのおかげで森から街に入るときも気兼ねせずに行けるようになったというのは女性陣にとって大きいようだ。州都に着くなり傭兵ギルドのガリスを訪ねる。
「ガリスのおっさん、久しぶりだな!」
「おお、おまえらか!ちょうど良かった、手を貸してくれんか?」
「戦はまだやってんのか?」
俺が尋ねるとガリスは慌ただしく事情を説明してくれた。どうやら俺たちが森に籠っている間に戦況はかなり悪化したらしい。悪化したというのは、この州にとってだ。
俺たちがいるモントールは北のティアーマと争っており、北西のミラールとは不可侵条約を結んでいる。そのティアーマがまたも国境を侵したと思ったら北の城塞都市であるブラニオールを落としてしまったらしい。ブラニオールが落とされれば北東の街モナンを除けば、州都ベス・エ・サンターナまでそれほど距離はない。モントールとしては緊急事態というわけだ。
「先日は僕たちが追い払ったのに、なぜ急にこんなにも追い込まれてるんですか?」
「正規兵も頑張っちゃいるんだが、どうにも振るわなくてな。先日もブラニオールでは襲撃事件があったらしくて増援が送れなかったそうだ」
「あ」
リア、それは言わんでもいい。みんなわかってる話だ。リアの反応を見て周りが首を振ったり、変な愛想笑いをガリスに浮かべたりしてる。逆にかなり不審な行動になってんぞ。
「どうした?嬢ちゃんはなんか知ってんのか?」
「ううん、襲撃とかなんにも知らないのー」
すげぇわざとらしい感じに聞こえなくもないが、ガリスからそれ以上の突っ込みはなかった。
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