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奴隷傭兵、キングオークと対峙する4

「次は武器です。妖魔兵の装備を充実させるために以前話した計画を実行します」


「それずっと気になってたんだけどさ。どこの貴族を襲うのー?」


「南のムーランス郡を支配しているザイード辺境伯です」


 シャミルとレオが顔を見合わせる。何か知っている感じだ。


「なんか知ってんのか?」


「知ってるも何も。ここら辺じゃ有名だよ、かなり悪政を敷いてるって話だけどねー。まぁ、レオのほうがもっと詳しいよー」


 シャミルがそう言うので全員の視線がレオに集まる。それを感じてかレオがぽつりぽつりと話し出した。


「私はムーランス郡の出身なんです。ザイード辺境伯は他の領主に比べて重税を課すものですから、税を払えなくなる者がたくさんいました。それで逃げる領民が出始めたのですが、常に監視され捕まると処刑されてしまうのです。税が払えないと強制労働に従事しなくてはならず、城の改修工事や畑を広げるために森の開拓をさせられるのです」


「ほら大変でしょー?」


「森を無理に広げると危ないんじゃないの?」


 シャミルやアニーが脇から色々突っ込む。


「そうですね。妖魔に襲われて帰らぬ人が後を絶たなかったです」


「レオはどうやってそこから出られたの?」


「私の場合は運が良かったのです。ムーランスから西の森ずたいに北上して、たまたま他の大勢の人が襲われている方面に妖魔が集まっていて。たぶん、それで私が逃げた方には妖魔は追ってきませんでした」


「その直後に私たちと会ったんだよー。ほら、うちらって女だけだからさー。ちょうど良かったんだよねー」


 レオの話をまとめるとザイード伯爵の政治は最悪らしい。たぶん、その情報をエルは知識として持っていてこの世界でも確認したのだろう。


「それともうひとつあります。このザイード辺境伯は他の貴族からも疎まれている存在なのです」


「あー、なるほどね!だから多少被害を被ったところでどの貴族も応援に駆け付ける心配がないってことかー」


 エルは満足そうに頷く。となると、世のため人のため『ブラックシープ』のために武器を提供してくれる都合の良い領主さまってわけだな。それに強制労働で森を開拓してるっていうなら、妖魔の襲撃があったっておかしくない。それもエルの狙いのひとつだろう。


「というわけで皆さん。このまま森林地帯を南下してムーランス郡まで行きます」


「武器庫の場所とかはわかってんのか?」


「バッチリです。それに、レオがいれば地理的な不安も解消出来ますしね」


 俺たちは休憩を取った後、すぐに南下してムーランス郡に向けて出発した。途中、何度か妖魔に遭遇することがあったが、さすがに手を出してくるようなアホはいない。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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