奴隷傭兵、戦力UPを図る3
「めんどくせーなぁ・・・・・・」
俺の感想を横で聞きながらエルは冷静に状況の説明を求めた。
「それで、相手とは今はどういう状況なんですか?」
「んー、それが最近は同じ戦場で見かけることが無くって。はっきりとした動向はわからないんだよねー」
「なるほど。まぁ、どこかの戦場で出くわしてもいきなり襲って来ることもないでしょう。それより、当初の予定通り傘下入りの手続きと今後について話しましょう」
エルの一言で俺たちの今後の予定も決まった。話し合いの結果、とりあえずは西に向かうということになる。俺たちがラ・エスカローナ州から抜けてきたブネ山脈の麓に妖魔兵たちを待機させると、再度州都ベス・エ・サンターナに戻った。そこで傭兵ギルドに行って『薔薇の花』傭兵団を傘下に収める手続きをする。
ギルドの受付嬢が驚いて例のギルド長であるガリスが出てきたりでひと悶着あったが、手続き自体はその日のうちに処理されることになった。「傘下に入る」ということだが、ガリスによれば『薔薇の花』が『ブラックシープ』という傭兵団の組織図の中に組み入れられることになるだけで、名前まで抹消するかどうかは自由だそうだ。彼女たちの希望で『薔薇の花』という名前は残すことになった。
「これでおまえたちの戦力は同ランクのなかでは抜きんでた存在ということになるのかもな」
「んなことより、『高潔の薔薇』って名前の傭兵団の動向は知らねぇか?」
「『高潔の薔薇』?ああ、ここ二、三か月この辺の戦場に出たって話は聞かねぇなぁ。ひょっとしたら別の地域に行ってるのかもしれんが。なんだ、なんかあんのか?」
「ちっとばかし、めんどくせぇことになっててな」
俺はガリスのおっさんに簡単に事情を説明した。
「ははは!美女に追っかけられんなら大歓迎だが、剣と槍持った連中に追い回されるのは俺も御免だな」
・・・・・・コイツに説明してもムダだった。
「それよか、今度も北の国境で戦が起こりそうな気配だ。もしよかったら参加登録してもらいたい」
「今度はいつですか?」
「状況から言って二週間てとこだろうな。おまえらCランクだから、今度は参加するだけで五十万ディナーリを受け取る権利があるしな」
Fランクは参加しても無料だったことを考えると破格の待遇と言っていい。Dランクに上がっ——今Cランクって言ったか?
「おい、俺たちゃまだDランクだぞ?」
「は?何言ってんだおまえは。Cランクとデュエルして勝っただろ?」
「ってことは、ランクも上がるのか?」
そんなことも知らんのかとばかりに、ガリスはため息をつきながら首を振った。
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