表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/102

薔薇の花とのバトル3

「トン吉、よく耐えた。あとは俺に代わっておまえは後方支援に回れ!」


 俺が今テキトーにつけた名前で呼ばれたジェネラルオークは、ポカンと俺を見ていた。しばらくして、たぶん自分のことだとわかったのだろう、俺に合わせて後方に退いていった。俺は狂戦士の本能に任せて思いっきり咆哮する。戦場一帯に響き渡る咆哮で敵の妖魔兵の注意を引きつつ、味方を鼓舞した。


「あなたは・・・・・・」


 レオはそう言って絶句した。俺が何者かなんとなく想像がついたのかもしれん。なんせ狂戦士化した俺は汗が蒸気のように噴き出したり、獣のような咆哮や行動になり人間離れしてしまう。


「決着つけようじゃねぇか、騎士さまよぉ!」


「・・・・・・望むところです」


 レオはそう言い終わるとデカい盾で視線を防ぎながら長剣を薙ぐ。バーンが剣で弾くと同時に、そのまま盾に直撃を入れる。普通ならこれで盾がひしゃげて終わりだ。ところが、レオは盾で器用にバーンの一撃を受け流してすかさず反撃に出る。


 バーンはなんなく避けると、今度は一気にレオに向かって突進して左から右に向けて大剣を振り切った。レオは盾でガードしたが、身体ごと吹き飛ぶ。ところが体勢は崩れずそのまま盾を構え直す。


 盾で受けきれないと判断して咄嗟に身体を浮かしたらしい。面白れぇ。その後も奴と数十合打ち合う。こりゃ確かにトン吉じゃ勝てねぇわけだ。相手の戦術は盾で視界を奪うことが攻撃の起点になってる。てことは、盾をなんとかすりゃいい。ってことで、俺は徹底的に相手の盾を粉砕することにした。といっても、むやみに攻撃しても受け流されるだけだ。


 逆を突く。相手が盾で視界を防ぐ瞬間に後ろへ下がる。これを二回ほど繰り返し、三回目のタイミングで一気に前に出て突きを出した。大剣は見事に盾を貫き上部が破壊される。そこですかさず追撃を入れる刹那、矢が俺の左肩にヒットした。振り向くと遥か後方に弓を構えたシャミルがいる。奴も狂ってんな、こんな遠距離から当てんのかよ。面白れぇ奴だな、トン吉の矢傷もきっと奴だろう。


「ね、ねぇ。レオと戦ってるあれって妖魔兵・・・・・・だよね?違う、のかな」


「シャミル!しっかりして、あれは人よ。向こうの傭兵団の団長やってる——」


 アリシアが言ってる最中にシャミルが驚きの声を上げる。


「え、え!?嘘でしょ、あれが人・・・・・・?だって、なんか笑いながらこっち見て矢を抜いてる。なんか怖すぎるんだけど!?」


「確かに・・・・・・。久しぶりに見た、シャミルの矢を食らって生きてるヤツ」


 シャミルの額に冷汗が流れ落ちる。人は狙わないってルールだったけど・・・・・・。


「ごめん、あれはここで仕留めないとヤバい!私の本能がそう告げてる」


 シャミルはそう呟くと再び弓に矢をつがえる。



 左肩から矢を引き抜くと何故か矢を射たシャミルのほうが怯えてる様子だった。エルが言った通りだ。狂戦士は致命的なダメージ以外は意味がない。痛みを感じず、傷を受けても筋肉ですぐに塞がれ自己治癒力が半端ない。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ