表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/102

薔薇の花とのバトル1

 アリシアとレオがそれぞれ挨拶をすると俺たちもそれぞれ適当に返した。


「アリシア、どうすんの?相手の妖魔兵めっちゃいるじゃん」


「大丈夫よ、以前この傭兵団が『紅蓮の狼』と戦った時のことをちゃんと調べたんだから」


 アリシアは自信満々に言ってるけど、例の作戦だよねー。


「それって、あれのことー?」


「そうよ。もちろん、そのまま丸パクリしないけど敵ながら良い作戦だと思うの」


「でも、相手も対策練ってるんじゃないのー?」


 シャミルがジト目でアリシアを見てもアリシアはどこ吹く風である。


「この地形を利用しながらやるんだから、絶対大丈夫よ!たぶん」


「なんだか頼りになるんだかならないんだかよくわからないなー」


 アリシアの作戦はこうだ。林を背に両側を大きな岩で囲まれた隘路に歩兵を配置、さらに両側の岩の上に弓兵を配置。それを見ていたエルは「なるほどね」と言って少し笑った。


「え?あれって、エルがこの前使った陣形じゃないの?」


 アニーが見ていて思わず声を上げる。アニーに言われて、俺も気付いた。言われてみれば、この前エルが築いた陣形に似てる気がする。かなり簡易版という感じもするが。


「そうです。ですけど、如何にも見よう見まねで作った陣という感じですね」


「おまえが言うには確か最強の陣形なんだろ?大丈夫なのか?」


 俺にそう言われてエルは少しだけ得意気に説明する。


「はい、でも弱点もあります。あれは防御にしか使えません」


「かといって、攻めずにボケっと待つのも性に合わねぇぞ」


「なんとかしましょう」


 エルはそう言うと、近くの岩場に弓兵を登らせた。まさかこっちも同じ陣形敷くのかと思ってたが、そういうわけでもなかった。さらに別の岩場にも弓兵を登らせて待機させる。


 ここまで見ててエルのやりたいことがわかった。通常なら矢は届かないが、アニーの強風を吹かせる魔法に矢を乗せれば届く。案の定、配置後に強風が吹くとこっちの矢は届くがあっちの矢は向かい風になるため届かないという一方的な展開となった。『薔薇の花』の妖魔兵は、二地点から集中的に放たれた矢によりゴリゴリと数を減らしていく。これで業を煮やしたのがシャミルだった。


「アリシアちゃん、これ向こうに魔法使われてるよ!これなら力づくでやったろうよー」


「そ、そうね。ごめん、私の作戦失敗しちゃった」


「いいよ、想定外だもん。レオ!出番だよー」


「わかりました。それなら妖魔兵の装備を変えますね」


 レオの指示で弓兵から近接装備に切り替えた妖魔兵たちは、岩場から降りてレオを先頭に集まった。集まり終わると、レオの突撃の合図で一気に全軍で突っ込んで来る。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ