表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/102

奴隷傭兵、薔薇の花と出会う2

「大アリよ。考えてみて。私も調教師だけどせいぜい使役出来るのは三百が限度。だから私たち傭兵団単体での依頼がほとんどないのよ。その子と合わせたらきっと人数は揃えられるし、ランクアップも夢じゃないわ」


 なるほど、アリシアの考えてることがわかってシャミルもレオもようやく落ち着いてきた。


「なるほど、相手の適正はどうあれ。それならアリシアのスキルも活かせるというもの」


 レオが言った瞬間、シャミルとアリシアからシーーーーーーーッと口に指を当てて黙るように言われてしまった。


「ごめん、ついうっかり・・・・・・」


 アリシアのスキルについては口外禁止という事実を思い出し、慌ててレオは口を塞いだ。幸いなことに周りはそれぞれの雑談に集中していて気にするような者はいなさそうだ。ホッとしたアリシアは話を続ける。


「問題はどうやってその『ブラックシープ』にいる調教師の子を攫っ——、引き抜くかだけど」


「アリシア、完全に人攫いする気満々になってませんか?」


 レオが真っ当な質問をするとちょっと顔を伏せて返す。


「ちょ、ちょっとした言い間違いよ。ほら、お店で品物を買うか盗むかーってくらいの」


「いやいやいや!それ言い間違いってレベルじゃないから!お母さん泣くぞー?」


 レオが呆れた顔でふたりのやり取りを聞いてると、アリシアが何か思いついたようにポンっと手を叩いた。


「そうよ!そういうときのデュエルよ!」


「デュエルって・・・・・・それって昔の話でしょー?最近そんなことやってる傭兵団なんて聞いたことないし」


 アリシアは人差し指を口の前に出してチッチッと言いながら横に振る。


「法というより慣習だけれど、確かにデュエルは有効なの。いざこざがあった時はデュエルをして負けた傭兵団は傘下に降るのよ」


「あのー、アリシアちゃん?相手の傭兵団といざこざなんかないし、そもそも面識すらないからねー。あと、すっごいこっちが悪者みたいなんだけど」


「そんな細かいこと言ってたらこのチャンスを逃しちゃうじゃない!それで、受付さん。その『ブラックシープ』はどこに行ったら会えるの?」


 アリシアから突然話を振られた受付嬢の目が泳いでいたが、突然焦点が合う。


「あ、えーと、います、ちょうど後ろに」


「え?」


 アリシア含め全員が受付嬢の指差す方を見ると、バカでかい大剣を背負った男と一緒に小さな女の子がふたり仲良く立っている。その脇にはもうひとり男の子?もいる。


 俺たちがギルドにやって来たのは、前回の件でようやく俺たちの処遇が決まったという報せを受けたからだった。入り口からいつもの受付嬢のところに行こうとしたら何やらギャーギャー騒いでいる連中が一斉に俺たちの方を見ている。


 ああいう変な手合いには関わりたくない。だいたいロクな目に遭ったことが無いからだ。と、思っていたらなんと向こうから近づいて来た。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ