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奴隷傭兵、薔薇の花と出会う

 これによりランクアップは確実そうだが、これまでにFランクが将を捕らえるのは例が少なく、こちらも後日ギルド内で話し合うんだそうだ。俺たちがギルドからの決定を待つ間、他の傭兵団の連中も戦が終わって続々と帰って来る。


 そんななか、『薔薇の花』と呼ばれるCランク傭兵団は不満を爆発させていた。


「今回の戦、せっかくの晴れ舞台だと思ったのにいつの間にか終わってるなんてツイてないわ」


「そりゃしょうがないよー。うちらだって爆走して突撃して『うりゃああああっ!』てやりたかったけど、うちらが突撃したころには左翼の戦いは終わってたみたいだったからねー」


「そ・こ・で・す!!左翼で戦ってた傭兵団の名前はなんというの?」


 問われた団長であるシャミルは首を捻って考えるが思い出せない。そもそもこのやり取りも州都に着くまでに三回はしている。もう思い出せないけど、取り敢えず聞かれたからには思い出す振りぐらいしてあげないと機嫌を損ねそうだ。


「アリシア、傭兵ギルドに着いたので、尋ねてみましょうか?」


 尋ねたアリシアに助け船を出したのは騎士のレオである。


「おー、こんなところに傭兵ギルドが!聞いてみるとするではないか!アリシアちゃん!」


「なんか、わざとらしい気もするけど・・・・・・。そうね、そうするのが手っ取り早いわね」


 シャミルを先頭に受付まで行き、今回の報告を終えて報酬を受け取った後に先ほどの件を尋ねてみる。受付の女性はちょうど『ブラックシープ』の件を担当していたこともあって、すぐに答えを得ることが出来た。


「『ブラックシープ』・・・・・・聞いたこともないなー。ねぇねぇ、それってどんな傭兵団なのー?」


「ええと、創設したばかりの傭兵団で。そうそう、アリシアさんと同じ調教師の子もいますね」


 その言葉を聞いてアリシアの目が輝く。


「それ、本当なんです!?どんな子なの!?」


 急に前のめりに聞き出したアリシアに受付嬢はタジタジになりながらも受け答えする。


「は、はい。まだ幼い少女って感じでしたけど・・・・・・」


 プルプルしながら立ち尽くすアリシアにシャミルが突っ込む。


「アリシアちゃん、どったのー?プルプルしちゃって可愛い~」


「その子引き抜きましょう!ダメなら取りましょう!いえ、掻っ攫いましょう!!!」


「へ!?」


 突然、訳の分からないことを言いだしたアリシアにシャミルもレオも目が点になる。


「掻っ攫うって・・・・・・人聞き悪いなぁ。でも、なんでそんなにその女の子が欲しいわけー?」


「考えても見てよ!私たちランクCになってからまっっっったく!!!!!ランクアップしてないじゃない!」


 普段見ないアリシアの余りの迫力にシャミルもレオも完全に気圧されるばかり。辛うじてシャミルが乾いた笑いを交えながら返した。


「あー、まー、ね。ハハハハハ。でも、それとこれと何か関係あるの?」


 アリシアは周囲を警戒しながらヒソヒソ声で話す。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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