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奴隷傭兵、仇討ちする3

「野郎ども、奴らは俺の提案を断った。この意味がわかるな?」


「Fランクのひよっこが、どうやら死にてぇようだな!」


「団長!奴ら皆殺しにしてやりましょうぜ!」


 ブノワールは彼らの反応を見てニヤッと笑う。


「そういうことだ。生意気なガキには躾が必要だ、時にはその躾がこの世で最期になってもな!」


 ブノワールは副団長のバオとグレッグに両翼を任せ、自らは中央の指揮に入った。両側を森と川に挟まれた隘路にいるので、左右に展開が出来ない三千弱の軍はどうしても縦に深い陣形となる。


「奴らの陣形をざっと見たが弓中心の陣形だ。こちらも弓でいくぞ。前衛にはクロスボウ隊を配置する」ブノワールの命令でクロスボウを持った兵が前衛を務める。その数千。そしてそのままブノワールの合図で密集したまま突撃した。いつの間にか強烈な向かい風が吹くなかを突き進む。



 その様子を見てたバーンは大剣を掲げた右手をサッと下ろす。


「今だ、放て!」


 バーンの合図で一斉に弓部隊は弓につがえた矢を解き放つと、四百本の矢が強烈な追い風に乗って上空を舞う。やがて放物線を描いた矢は重力に従って速度を増しながら攻め込んだブノワール軍の上に降り注いだ。


「こんな遠くから矢が届くのかよ!」


「くっそ、どうなってんだこの風!?」


 兵士たちは矢の雨によって数を減らしながらも突撃速度を緩めず進む。第二、第三、第四、第五射となるころには相当の被害が出ていた。クロスボウは威力は協力だが射程は150mほど、ようやくクロスボウの射程に入る頃には弓部隊は甚大な被害が出ていた。


 ようやく射程に入り弓を射るころには六割以上が戦闘不能。加えて速射能力が段違いである。クロスボウは一分間に一発、ロングボウは一分間に最大九発射ることが出来る。


 弓をつがえている間に残りも減らされ、そうこうしているうちに業を煮やした後続歩兵部隊が弓隊を追い越して突撃してしまった。こうなっては誤射のために弓を射ることも出来ない。


「おし!ようやく歩兵部隊が出てきたぞ。弓部隊、十字斉射だ!」


 弓部隊はそれぞれ三角形に飛び出た陣形を組まれているので、立体的に矢を射ることが出来る。向かって来る敵部隊は正面に加え、両側面からも矢が四方八方から集中的に飛んで来るのだ。


 しかも特筆すべきはその威力だ。至近距離から放たれたロングボウの矢の威力は全身フルプレートの鎧ですら貫通する。空から降って来る矢に比べて矢の威力は桁違いに上がる。


「くそうっ!どうなってやがる。第二陣下がらせろっ!グレッグ、おまえ第三陣を率いて行け!」


 ブノワールが焦って第三陣を出す。第二陣を率いるのは副団長のバオであった。


「バオ副団長!退却の命令が出てますぜ。退きましょう!」


「バッカヤロウ!んな中途半端なとこで退いてたまるかってんだよぉ。こっちゃ数で圧してんだ、弓で射たれ放題射たれて逃げ帰れってか!?ざけんなっ!目の前の歩兵倒せば突破出来んだろーが。野郎ども!俺について来いっ!」


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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