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奴隷傭兵、仇討ちをする2

「ロラン、ここはおまえが言うのが筋だ。言ってやれ」


 ロランは俺に促されて頷くと叫んだ。


「『田園の騎士』の団長ロランだ!ブノワール、フィルを殺したのはおまえだな!俺はおまえたちを絶対に許さないぞ!」


 ロランの声と名前を聞いてようやく繋がったらしい。聞いた途端に野郎バカ笑いしやがった。


「あの小娘のことか!あいつが俺たちの酒の席に付き合ってくれたんでな。色々楽しませてもらったぜ」


「ゲス野郎がっ!アッタマきた!ちょっと弓貸せ!」


 俺は近くの妖魔兵から弓をひったくると構えてブノワール目掛けて射た。だが、矢はブノワールまで届くも狙いが大きくずれる。チッ、狂戦士化しても身体能力が上がるだけで練習してない弓の技能が上がるわけじゃねぇのか。だが、ブノワールを怒らせるには効果があったようだ。


「おまえらがローグレーを捕らえたって話は聞いてる。最後の通告だ。そいつを渡せ!渡すなら命だけは見逃してやる」


「禿ダコ、欲しけりゃ力ずくで奪ってみろ!やれるもんならな」


 さっきの弓矢と俺の煽りで完全にブチ切れたらしいブノワールは一通り悪態をつくと自軍に戻っていった。恐らくこっからが本番だろう。


「歩兵部隊の皆さん、聞いてください。あいつらが突撃してきても多勢に無勢です。

僕が良いと言うまで決してこちらからは出ないでください」


「おい、俺らは指を咥えて見てろってのか?」


 エルは俺の質問を聞いて少し笑うと説明を補足した。


「大丈夫です。向こうから勝手に突撃してくるのでバーンたちはそれを撃退してください」


 なるほど、そういうことなら奴らをぶちのめせるな。


「弓隊は敵が300m以内に入ったら弓を射てください」


 その言葉に『田園の騎士』の弓隊から疑問の声が上がる。


「待ってくれ、ロングボウと言っても200mに近づいたら射るのが定石じゃないのか?」


「アニーに風を吹かせます。これで1.5倍の飛距離は出ます、構わず射てください!」


 エルが言ってるうちにアニーが「ワイドレンジゲイル」を唱えたようだ。後方からエリア全体に追い風が吹き始めた。


「敵部隊がさらに近づいたら十字斉射で一気に数を削ります。作戦は以上です」


「聞いたか!敵の数は俺たちの四倍だが、エルの言う通りやりゃ必ずブノワールの野郎をぶちのめせる!フィルの仇をここで討つぞ!!」


「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」


 仇討ちで士気が上がっているバーンたちとは裏腹に、ブノワールは完全に頭に血が上っていた。散々バーンに煽られ、挙句の果てには当たりはせずとも話してる最中で矢まで飛んで来るのだから当然かもしれない。


 あの野郎!確かバーンとか言ったか、俺を舐めやがって。まぐれで将を捕獲して浮かれてるクソガキどもがっ!切り刻んでブタのエサにしてやるわ。

いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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