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奴隷傭兵、仇討ちする1

「バーン、この先に大きな川がありましたよね。その川沿いに進むと橋があります、そこを渡りましょう」


「エル、おまえのことだから何か考えがあってのことだろうが。まさか仇討ちのこと忘れちゃいねぇだろうな?」


「もちろんです。というか、そのために動いてるんですから」


 進んで行くと川沿いに大きな橋が見えてきた。橋のすぐ向こうには森が広がっている。恐らくブネ山脈に繋がっている森だろう。鬱蒼としている森なので俺たちみたいな森に籠っていた者以外、つまりここでは『田園の騎士』の連中は気味悪がっていた。


 むしろ心なしか妖魔兵どもが生き生きしているように見える。しばらくすると後方の連中が騒ぎ出した。俺たちが振り返ってみると、土煙を上げて追っかけて来る集団が目に入る。ここまで追って来たのか!?


「おまえ、追って来るのがわかってたのか?」


「そりゃ追ってきますよ。追撃の命令を聞かずに勝手に帰っちゃったんですから。それに、他にも理由があります。連中にとって僕たちがローグレーを捕らえてることが一番気に食わないんでしょうね。彼ひとりで報酬の桁が変わってくるでしょうから」


 なるほど、脇目も振らずに帰った理由はそれか。俺たちがローグレーを捕らえたのは敵兵をとっ捕まえて聞きゃわかるだろうしな。


「てことは、ここへ来たのも何か理由があるのか?」


「そうですね。ここらへんでもういいでしょう。ここで決着をつけます」


 エルが指定したのは、東に川、西側に森が広がる隘路だ。リアを通じて妖魔兵たちにも動いてもらい陣を敷く。エルは弓隊を△の形にして西、中央、東に分けて配置した。


 西と東の弓隊はそれぞれ森と川を壁にするように配置。そして弓隊の前方には拾ってきた、折れた槍や剣を大量に地面に刺してバリケードを築く。弓部隊は弓を使える者を総動員して四百近い弓部隊を編制した。


 さらに、歩兵部隊は中央の弓部隊の両脇を固めるようにして配置。それぞれの隊に俺とワーウルフを筆頭にして『田園の騎士』の屈強な連中を加えて編制する。布陣が完成したときには俺たちを追ってきた一団が橋を渡って来るところだった。エルのおかげで予想は出来てたが、旗は黒地に赤い狼。『紅蓮の狼』だ。数は俺たちが七百前後、奴らが三千といったところか。


 俺たちと一定の距離まで近づくと、禿げ頭で図体のデカいおっさんがひとりで前に出てきた。


「おい、おまえら!戦闘中に尻尾巻いて逃げるとはどういう了見だ?このまま無事に帰れると思ってたのか?」


「思っちゃいねぇよ、ブノワール!てめぇこそこのまま生きて帰れると思うなよ!」


 ブノワールは俺に言われても、全くピンと来てないようだった。それもそうだ、あいつは俺たちがフィルと面識があることすら知らない。ロランに言ってもらうのが一番だ。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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