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奴隷傭兵、本陣へ攻め込む

「エル!このまま徹底的に追撃するか?」


「いえ、目標はあくまで中央にいるであろうローグレーです。そのまま中央軍の裏から一気に敵の本陣を攻めます!」


 なるほどな。確かにエルの言う通りだ、逃げてる奴を斬っても面白くねぇからな。


「おしっ!俺たちは中央を裏から攻める、狙うはローグレーの首だ!」


 バーンたち左翼軍は追撃するフリをしながらぐーっと迂回してローグレーの背後を襲う動きを見せる。これに焦ったのが中央の後方で指揮していたブノワールだった。


「信じられねぇ・・・・・・。団長!奴ら敵軍右翼を壊滅させやがった」


「うるせぇ!見りゃわかるわ!なんなんだあいつらは・・・・・・」


 ブノワールは怒りに震えて全身をガタガタと揺らす。


「これ以上あいつらの良いようにさせるなっ!指揮官の首まで取られたら俺たち『紅蓮の狼』の恥だ!全軍、全速で突撃する!」



 ローグレー陣営は、バーン率いる敵軍右翼部隊が後ろから急襲してくることに加え、正面で足踏みしていたブノワール中央軍が突如全速前で向かって来るのを見て混乱に陥る。


「ローグレーさま、このままでは前後挟み撃ちです。いっそ隊をふたつに分けて対処しますか?」


「慌てるな。背後に回った敵は少数、予備隊を回して後背を厚くして対処すれば防げるはずだ。今は前面の敵に集中すればいい」


 このローグレーの判断は誤っていた。通常の部隊であればローグレーの判断が正しかったのかもしれない。だがこの時ローグレーは、バーンたちの戦闘力を明らかに見誤っていたのである。


 この直後、左翼部隊はローグレー中央軍の背後に食らいついた。バーンとワーウルフは競うようにして血煙のなか、ローグレー麾下の兵士たちを薙ぎ倒しながら恐るべきスピードで突き進んでいく。ほぼ同時にブノワール中央軍も正面から激突した。ローグレーは前後挟撃にさらされてゴリゴリと数を減らしていく。


「くそ、これ以上は・・・・・・」


 ローグレーが周囲を見渡すと前後の陣は完全に食い破られていた。


「ローグレーさま!もう限界です、ローグレーさまだけでも撤退してください!」


「我々がお守りします!どうかお逃げください!」


 こうなっては、やむを得まい。恥を忍んでガスパール将軍に報告だけでもせねば・・・・・・。


「わかった。頼む」


 だが、ここでローグレーの予想を遥かに超える事態が起こる。ローグレーの背後を守る最後の防御陣がバーンによって破られたのだった。兵士たちがまとめて数人吹き飛び壁の一画が壊されると、そこから現れたのは蒸気を濛々と吹き上げながら、返り血で真っ赤になったバーンが現れる。


「よおっ、格好から察するにあんたがここの大将だな?」


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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