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奴隷傭兵、軍師の計略を聞く

 ここら一帯は見晴らしの良い地形だが、岩がゴロゴロしていて足場が悪い。モントールは騎馬隊が強いが、この地形ではその強さは十分に発揮することが出来ない。そこで傭兵団にお鉢が回って来たってわけだ。


 あとは出たとこ勝負か・・・・・・。敵軍と向かい合うこと三十分、敵軍はこっちの出方を窺っているようで動かない。


 そして、とうとうブノワールが動いた。角笛が鳴る。全軍突撃の合図だった。左翼、中央、右翼とも動き出す。各部隊、それほど距離は取ってないので全軍の動きは左翼の俺たちからでもよく見えた。


 動き出して中央まで出ると、全員が気付く。中央と右翼の動きが異常に遅い。特に右翼は完全に突撃速度からはかけ離れている。中央は他傭兵団で構成される前衛部隊だけがどんどん出ているが、『紅蓮の狼』である後続部隊が遅い。それに気付いて後続部隊に引っ張られるようにして前衛部隊も速度が落ちていた。


 左翼だけが突出して出てしまってる状態だ。あいつら・・・・・・俺たちだけ囮として突撃させて敵軍の餌食になったところで美味しいところだけ持ってくつもりか!


「おい、エル!このままじゃ俺たち左翼が先に包囲殲滅されるぞ!?」


「大丈夫です、されましょう!」


「はぁ!?」


 何言ってんだコイツ、頭おかしくなったか?されましょう!じゃねぇんだよ。犬死にだろうが!


「バーン、全軍の位置をよく見てください。僕ら左翼が突出、中央が少し遅れて付いて来てます。そして右翼がさらにゆっくりと前進してますね!」


 何言ってんだかさっぱりわからん。


「これでいいんです。いや、むしろこれがいい!」


「何がいいってんだ?」


「本来ならもっと左翼に兵力を集中すべきですが、僕らには強力な妖魔兵、SSS級の魔法士、そしてバーンあなたがいます。バーン、僕らも速度を落としましょう。うまく合わせて斜線陣を敷きます!」


 斜線?斜めの陣?よくわからんがエルはこの土壇場の状況で何か思いついたらしい。エルは俺に左翼、中央、右翼で綺麗な斜めを維持するよう俺に注文を出した。


 ここはやはり本職に任せるしかない。俺は早速左翼全軍に速度を少し落とすよう指示を出す。妖魔兵にはリアから指示を出してもらった。相手軍との距離がある程度近づいたところでエルから指示を受けたアニーが『ワイドレンジゲイル』を使う。突然辺り一帯を強い追い風が吹き始めた。


「リア、僕が止まれと言うまで弓隊を前面へ全速で走らせてください」


「うん、走らせるのー!」


 リアから指示を受けた弓隊百名が新調したロングボウを手に全速力で走っていく。この辺の体力は、さすが山育ちの妖魔ってところだろうか。速い。弓兵だけ突出して俺たちを引き離したところでエルが再度指示を出す。

いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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