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奴隷傭兵、ブチ切れる

 俺たちが今から攻める北の陣には、ローグレーが陣頭指揮を取っている。数は五千ということだった。翌々日になって敵陣を見たところ、横陣を敷いている。ブノワールもそれに対して横陣を敷き、『紅蓮の狼』は右翼に主力を置く。


 中央は『紅蓮の狼』の指揮下に入った他の傭兵団との混成部隊であり、俺たち左翼は『ブラックシープ』と『田園の騎士』だけだった。左翼は数にして八百五十、中央と右翼はそれぞれ二千程度。


 対して敵軍右翼は軽く千五百以上はいるだろう。してやられた・・・・・・。バカな俺でもわかる、俺たちを囮にするつもりだ。俺が思案していると、不意に『田園の騎士』のリーダーであるロランが目に入った。俺は挨拶に行こうとしたが、どうにも様子がおかしい。


「おう、ロランじゃねぇか。今日は頼むな!」


「君は・・・・・・バーンか・・・・・・ああ、よろしく頼む」


 目が虚ろになってて焦点が合ってない。


「おい、なんかあったのか!?」


 俺の反応にロランがビクッとする。


「おい、どうした?」


 俺が何度か尋ねると、ロランはようやく反応した。


「フィルが・・・・・・」


「フィルがどうしたんだ?」


「・・・・・・死んだ」


「は!?おい、どういうことだ!?詳しく話せ」


 ロランは俺に言われてぽつりぽつりと話し出した。俺たちがブノワールに挨拶に行った後にロランたちも挨拶に行ったらしい。


 そこで、フィルに目をつけられ、ロランたちは断り切れなかった。その後、夜になってもフィルは帰って来なかったという。気になったロランたちは早朝フィルを探しに行くと木の根元で死んでいた。


 ロランたちはブノワールに問い詰めたがシラを切られたそうだ。それでも、周りの兵にしつこく聞きまわったらフィルはあの天幕から出てこなかったらしい。間違いなく奴らだ!血管がブチ切れそうになる。


「僕のせいだ・・・・・・。僕のせいでフィルは・・・・・・」


「・・・・・・フィルの仇を取るぞ」


 ロランは俺の言葉に驚いたように目を見開く。


「な、なにを・・・・・・」


 ロランのたじろぐ姿を見て思わず襟首を掴む。自分でも感情のコントロールが効かなくなっていた。


「てめぇ、仲間を——フィルをおもちゃにされた挙句殺されて大人しくしてろってのかよ!?奴らアニーやリアにも手を出そうとしやがったんだぞ」


「え・・・・・・だって、彼女たちはまだ——」


「どんな趣味だか知らんが、ガキでも関係ねぇんだろ。根っから腐ってるような連中だ」


 身体が熱い・・・・・・。怒りで血が沸騰しそうだ。

いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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