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奴隷傭兵、フィルに会う

 これで参戦準備は整ったが、元を取るには戦場での活躍は必至だ。参加契約料はFランクは全く出ない。それが出るのはEランクからであって、それでもたったの一万だ。


 俺たちがギルドに行って詳細を確認すると、今回俺たちは『紅蓮の狼』という大層な名前の傭兵団の傘下に入るとのことだった。ガリスによればここはお世辞にもガラが良いとは言えない連中の集まりらしい。


 前回の傭兵団もそうだったが、そう聞くと嫌な感じしかしなかった。他にもいくつかEやFランクの連中がここに入るらしい。俺たちは通達が来た次の日にはすぐにブネ山の麓まで行き、妖魔兵たちを招集。


 その足でブラニオールに向かった。ブラニオールに着くと、正規兵はもちろん、すでに到着している傭兵団もいる。そのうちのひとつ『田園の騎士』という傭兵団の団長が俺たちに話しかけてきた。


「ひょっとして君たちも戦いに参加するのかい?」


 やはり、俺以外ガキ・・・・・・というか小さい女の子に妖魔兵なんて構成は物珍しいだろうな。


「はい。僕たちはブラックシープという傭兵団なんです。といってもまだFランクなんですが」


「ハハッ、奇遇だね。僕らもFランクの傭兵団で『田園の騎士』っていうんだ。僕は一応団長をやってるロランっていうんだ、よろしく」


 そいつは俺たちに自己紹介をした後に手を差し出した。傭兵の連中は荒くれで素行が悪い連中も多いが、気の良い奴もたくさんいる。ロランもそんな奴のひとりだろう。お互いに自己紹介をすると後ろに控えていた女傭兵がアニーとリアに話しかけた。


「私フィルっていうの。アニーちゃん、リアちゃん、よろしくね!まだ小さい女の子なのに凄いね。絶対無理しちゃダメだよ」


 アニーとリアを見て気遣ってくれたんだろう。俺がエルの方を見るとエルは明後日の方を向いてすっ呆けていた。俺はニヤニヤしながらエルを小突く。


「おい、エルちゃんよ。おまえは励まされなくていいのかよ?おまえの方があいつらより年下だろーが」


「う、うるさい!僕は違うからいいんですよ!」


 エルは俺の腰をグーパンチで殴って小声で言い返す。


「フィル、彼女たちだって立派な傭兵の一員として選ばれてるんだ。そんなに子ども扱いしたら失礼だよ」


「あ、そっか。ごめんねふたりとも」


 フィルにそうは言われたが、アニーとリアは気にしてないどころか、もうフィルに懐いてるようだった。


 俺たちはリアに妖魔兵のなかから弓を扱ってる百匹を選んでもらい、そいつらに新調した弓一式を渡していく。その間に遊んでもらってすっかり仲良くなったフィルと一緒に、アニーとリアがブラニオールの街中を散策しに行くことになったらしい。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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