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奴隷傭兵、ギルド長と試合する

 彼女はふたりにも驚いていたが、最後の俺の適性を聞いて完全に目が点になっていた。やっぱりそうなるか。ブール・ヴァロンナでも同じやり取りしたんだよな。あそこはゴブリン討伐の実績があったから認めてもらえたけど、今回はそんなものはない。さてどうしたもんか・・・・・・。


「ちょ、ちょっとお待ちください」


 受付嬢はそう言うと、奥のほうに消えていった。しばらくすると、デカい男と共にさっきの受付嬢が俺を指差して話しながらやって来る。やっぱりそうなるか、面倒くせぇなぁ。


「俺はこのギルドを管理してるガリスだ。坊主、話は聞いた。おまえか狂戦士の適正を持ってるってのは?」


「ああ、そうだと言ったら?」


「おまえの参戦は許可出来ない」


 コイツ即答だな。俺がなんて言い返そうかと思案しているとエルが横から口を挟んだ。


「待ってください。チャンスを頂けませんか?僕たちブール・ヴァロンナでは参戦の許可をもらってますし、すでに戦場での経験もあります。バーンは狂戦士化を完全に制御出来ています」


「狂戦士の適性を持つ者にむこうの本部は許可を出したってのか!?」


 ガリスは呆れたようだったが、しばらく目を瞑って考えると口を開いた。


「よし、わかった。それなら今から俺と試合え」


「ギルド長!そんなことして大丈夫なんですか!?」


 受付嬢が心配そうに尋ねる。俺は化け物かなんかか?と突っ込みたくなる衝動を抑えるしかなかった。


「大丈夫だ、俺だって幾度も死線を潜ってんだ。ちなみに、おまえ適正度はどれくらいだ?」


「SSSだ」


 一瞬ガリスの顔色が変わったのを俺は見逃さなかった。


「よし、おまえは腰に鎖をつけろ。あと、コイツの周りに絶対木剣以外の武器は置くなよ。特に金属のはダメだ!」


 ガリスの引きつった表情を見ながら、ニヤニヤが止まらない。性格が悪くなってるかもしれんが、化け物扱いされたんだ。これぐらいは楽しませてもらう。

ギルド会館の内側は練兵場になっている。


 そこで俺はガリスと検証という名の試合をすることになった。俺には腰に鉄製のベルトが巻かれ、そこから鎖で行動範囲を制限される。その状態で戦うのはかなり不利だが、目的は勝つことじゃない。単純に狂戦士化が制御出来るかどうかの実験に過ぎない。そうは言ってもやはり勝ちたい。ガリスは木剣を構える。


「バーン、わかってると思うがこの試合は勝ち負けが目的じゃない。目的はおまえが狂戦士化を制御出来るかどうかってだけだ」


「わーってるよ。グダグダ言わずにとっととやろうぜ」


「チッ、じゃあいくぞ!」


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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