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奴隷傭兵、ワーウルフに出遭う

 突然四方八方から集まってきたホブゴブリンたちに、アニーが警戒の姿勢を取るが、彼らの身体に刻まれた刻印を見てリアの妖魔兵だとわかったようだった。五百の妖魔兵たちに守られて、俺たちはその場で野宿した。妖魔兵というのは山越えする分には本当に便利だ。


「みんな、聞いて欲しいんだけど。僕たちはここからブネ山脈を越えていきます」


「妖魔兵がいると本当に便利だな。コイツらに監視も頼めるし」


 俺が応えると、エルは首を振った。


「この先の山はワーウルフが出る可能性があります。ワーウルフは幸い群れませんが、かなり危険なので注意が必要です」


「もう少し妖魔兵を増やすか?」


「いえ、あまり長居するとせっかくの赤胡椒が湿気でダメになるかもしれません。行きましょう」


 西端の街レ・ドールの特産である赤胡椒はこの大陸では高級品として扱われてる。品質管理を怠ると途端に価格が下がってしまうらしい。次の早朝、俺たちはブネ山脈に登り始めた。麓、中腹でそれぞれ野宿をしていよいよ山頂に差し掛かろうかというときに遠吠えが響き渡る。


「ねえ、今のってもしかして・・・・・・?」


 アニーが不安そうに振り向く。俺もワーウルフなんて見たこともないし、なんとも言えないが多分あれがそうなんだろう。


「皆さん、ワーウルフの声です。声が反響して距離感がよくわかりませんが、注意して進みましょう」


 エルの声に全員無言で頷いた。ただの山登りと思って油断していたが、急に緊張感が出てきたせいか全員無言で進んで行く。そこから一時間は歩いたが、周りはずっと針葉樹林が鬱蒼と茂っているのでハッキリ言って見通しは最悪に悪い。


 とはいえ、周囲を妖魔兵たちが固めている。何かあっても対処する時間は十分あった、はずだった。ぼたっと何かがエルの肩の上に落ちてきた。


「うあっ!」


 思わず声を上げるエルだったが、よくよく見てみると何かの液体だ。エルが思わず手で肩を払うとべとぉっとしているようで、手をぶんぶん振っていた。


 これって、もしかして・・・・・・。俺とアニーが同時に上を見上げる。と、そこにはデカい狼が木の枝の上にしゃがみこんでいた。


 いたよ、狼のよだれ。じゃない、ワーウルフだ!


「上だ!上にいる!」


 俺が叫んだ刹那、ワーウルフはそのまま飛び降りて——狙いは・・・・・・リアか!?俺はアニーの様子を一瞬見るがパニック状態らしく動けないでいた。間に合わねぇ!ワーウルフは着地して巨大な爪をリアに向けて振り下ろす瞬間に俺は咆哮した。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 その咆哮で一瞬ワーウルフの動きが鈍るが、そのままリアは吹き飛ばされ木に打ち付けられた。


「エル!回復!」


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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