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奴隷傭兵、妖魔の森へ行く

「留守って、どこに行くんだよ?」


「決まってるじゃないですか。リアの妖魔兵を揃えるんですよ」


 すっかり忘れてた。リアの適正は調教師で、コイツの場合は妖魔を兵として制御出来てしまう。ある意味ひとりで軍隊が作れるわけだからとんでもない能力だ。妖魔兵はゴブリンでは知能が低く使い物にならないので、最低でもホブゴブリン以上は欲しいんだったな。


 次の日から俺たちは準備を始めた。倒すのは容易だが捕獲するとなると少し面倒くさい。使うかわからんが捕獲用のロープを用意し、殺傷力を抑えるため刃の潰した剣も用意する。エルから落とし穴みたいのも提案されたが、狂戦士化した俺が直接ぶん殴って気絶させた方が早いと俺が言ったため無しとなった。


 アニーのために魔力の通りが良い杖も買っておく。準備に二日を費やし、三日目の朝に俺たちがゴブリンを狩っていた東の森に向けて出発する。アニーには、エルの考えた魔法の鍛錬メニューをひたすらこなしてもらう。


 入り口は前回と同じで、そこからさらに奥へ進んだ山の中腹がホブゴブリンの生息域だった。俺とエルだけなら問題なく目的地まで進めたが、リアが心配だったのでその日はそこで野宿をする。


 森のなかで野宿をするのはさすがに危険だと判断したからだ。散々俺たちが狩ったおかげで数はだいぶ減ったと思ったが、森に入ってからは何度もゴブリンの襲撃に遭う。コイツらの繁殖力は間違いなくゴキブリ以上だ。そのたびにリアが叫び声を上げて怯えていたが、エルが励まし続けてくれたおかげで目的地に着くころには多少慣れてきたようだった。


 エルとリアには木の上に登っていてもらい、俺は咆哮する。狂戦士の咆哮を聞いた者は敵意を剥き出しにすることが、前回の戦いでわかっていた。しばらくすると、出るわ出るわ。ぞろぞろと集まって来やがった。三十匹はいるだろうか。


「さすが、ホブゴブリンてか?弓まで持ってる奴がいるじゃねぇか」


 俺はそいつらにもう一度咆哮をすると、奴らの方から次々と襲い掛かってきた。奴らの持っている武器は剣や槍がメインだ。一匹一匹の戦闘力はさほど高くないが、集団的な行動を取って襲って来ると人間には脅威となる。だが相手が悪かったな、エルの評価によれば狂戦士は人間辞めてるそうだ。


 俺は集団的に繰り出される剣や槍を弾き飛ばすと、奴らに剣を叩きこんだ。一撃で数匹を十数メートル吹き飛ばすと、そのまま木や地面に叩きつけられる。その瞬間、矢が空気を裂きながら飛んで来たのを素手で掴んだ。


「そんな鈍い矢じゃ届きすらしねぇよ」

いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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