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奴隷傭兵、アニーとリアの適正を知る

「ドミニク、おまえなぜ俺にそのことを黙っていた!?」


「いや、コイツらは俺たち『黒曜』とは違うじゃないっすか。戦場放棄したのはコイツらであって——ぶふぉ!?」


 ドミニクは顔面を思い切り団長に殴られ、そのまま天幕の端に倒れた。


「バカ野郎がっ!おまえの言い訳なんぞ聞いてないわっ!なぜ俺に報告しなかったと聞いてんだ!?」


 ドミニクはもごもご言ってたが、最後はすみませんと謝罪していた。


「おまえがバカな判断をしなけりゃ、街の被害はもっと抑えられてただろうよ!俺たちが今生きてるのは彼らのおかげだ。彼らに謝罪しろ。それからな、おまえは今日から一兵卒に格下げだ!」


 チッとドミニクは舌打ちをした瞬間、今度は股間を蹴り飛ばされしばらく悶絶する。すると、ようやく小さな声で謝罪した。


「す、すみま、せんでした」


「おっさんよぉ、今度喧嘩売るなら相手みて売れよ。せいぜいてめぇが勝てそうな相手にしとけ、虫とかな」


 俺に笑われながらそう言われて、怒りでブルブル震えてた。これでもし懲りてないなら俺がこのクズの息の根を止めるまでだ。そんときゃ容赦はしねぇ。


 その後は団長の案内で北部郡の領主と面会し、謝礼をもらった。


 俺にとってはどうでもいいイベントだが、これでブラックシープの名が売れるなら悪いことじゃない。



 そして数日後、俺たち四人は州都ブール・ヴァロンナに戻っていた。アニーとリアの適正度が高くても何の適性かわからなきゃ意味がない。宿を取ると同時に、早速神殿で鑑定の予約を取った。


 それから一週間後の鑑定結果は驚異的といってもいい結果が出る。まずアニーは魔法の適正があった。魔法適性がある者はこの州でも数えるほどしかいない貴重な人材だ。適正度は度外視で魔法適性を持っている人間は将来が約束されてると言ってもいい。


 そんなアニーの魔法の適正度はSSSだった。一方リアは調教師の適性がある。調教師は印を施した妖魔に対して強制契約を行って意のままに操ることが出来るのが特徴だ。リアの適正度はSSだから、相当の数の妖魔兵が扱えるだろう。


「リアの方はなんとかなりそうですが、問題はアニーのほうかな」


「何が問題なんだ?」


 エルがぶつぶつ言ってるのを俺が問い詰める。


「普通のルートじゃ魔術書が手に入らないので。まずそれを売ってくれる人を探すしかないのだけど」


「俺は魔法のことなんかさっぱりわからんが、おまえの記憶にはそういうの扱ってる人間はいないのか?」


 俺の疑問に唸っていたエルだったが、アニーの不安そうな顔を見て決断したようだった。


「州都の町はずれに古びた本屋があるんですが、そこに行ってみましょう」

いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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