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奴隷傭兵、傭兵稼業再開する

「はぁ!?なんでおまえが決めんだよ」


 いくら軍師をやっていたからって、強いかどうかなんて俺だって判断できる。


「単純な強さだけじゃないんです。僕が言ってるのは・・・・・・」


 そこまで言うとエルは言うか言うまいか迷っているようだったが、やがて意を決したように口を開いた。


「実は、僕はある程度だけど人物鑑定が出来るんですよ」


「人物・・・・・・って、おまえそれじゃあ、あの神殿長みたいなことが出来るっていうのか!?」


 俺の問いにエルは口に人差し指を当てる。街の酒場で他人の目はあるが、周りは酔っ払った街の連中や傭兵どもで騒がしかった。エルはそれでも声を潜めて話を進める。


「出来ると言っても、簡易的なもので。神殿長みたいに詳細なことまではわからないけど、適正度が強いか弱いかくらいならわかりますよ」


 そう言われてようやく俺の違和感の正体がわかった。


「おまえ、だから俺に国を統一しろなんて頼んだってのか?」


 そう尋ねると、エルは軽く笑った。


「それもあるけど、それだけじゃないですよ」


「じゃあ、なんだよ?」


「いつか話すときが来たら、ね」


 俺としては釈然としないものがあったが、エルに鑑定スキルがあるというなら中核となる人材の登用も見分けがつくのだろう。鑑定してもなんの適正を持っているのかまではわからないというのが難点だが。


 人員募集は傭兵ギルドに頼めばやってくれる。採用するかどうかは、各傭兵団に任されていた。期待していたが、応募に来るのは傭兵崩れの連中ばかりで、エルが目を見張るような人材はいない。


 一か月ほど様子を見ているうちに、また戦争が始まってしまった。今度は近くの街までデュラフォート軍に押し込まれているという話である。その話を聞いて俺は居ても立っても居られなくなった。


「エル、どうするよ?」


「そうですね。人材募集も大事だけど、近くの街まで脅かされのはまずいな。それにブラックシープの名前を売る良いチャンスかもしれません」


 エルのその一言で決まった。俺たちふたりしかいない傭兵団「ブラックシープ」の初任務は、シャティヨン近郊の街レラの防衛となる。俺たちふたりだけではどうしようもないので、さらに大きな傭兵団「黒曜」に組み込まれることになった。


 「黒曜」は以前俺が所属していた傭兵団と同じくらいの大きさだ。俺たちが団長に挨拶に行くと、意外にも気さくに迎え入れてくれた。


「おまえらが、ブラックシープのふたり組だな。噂は聞いてるぜ」


 髭を生やしたおっさんがニカっと笑う。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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