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奴隷傭兵、妖魔討伐をする2

「・・・・・・バーン」


 エルがそう呟いた瞬間、俺はエルの前で倒れ気絶した。目が覚めたときはまたもや全身筋肉痛で動けない状態になっていた。


「バーン、目が覚めましたね」


「痛ぇ・・・・・・」


 エルは俺の第一声にクスっと笑うと、治癒術を施してくれた。痛みが身体からスッと引いていく。


「バーンのおかげで助かりました。凄いですね、あれだけ戦って自我を保てるなんて」


 俺はそのエルの言葉に首を振った。


「いや、おまえが連れ去られてるの見た後は何も覚えてねぇ。自我もクソもあったもんじゃない」


「でも、最後は僕を襲わなかったですよ。無意識かもしれませんが、敵味方の区別が出来てるようでした」


 俺はそれを聞いて天を仰いだ。


「こんなこんじゃ、妖魔がおまえを殺すのが先か俺が先かって話になりそうで不安しかねぇな」


「言ってても仕方ありません。これを乗り越えないと僕もバーンもこの先がないんですから」


 エルのそういう言葉を聞くと、本当に俺より長生きしてるっていうのがわかる。見た目十歳かそこらのガキに人生語られたくないが。


 その次の日も俺たちは妖魔討伐を繰り返した。来る日も来る日も妖魔討伐に明け暮れる。最初の一二か月はそれほど変化はなかったが、三か月を超えるあたりから明らかな変化が出始めた。


 戦闘の最初から最後まで自我を保てる回数が増え始める。半年を超えるころには、余程のことが無い限り意識が飛ぶことは無くなっていた。狂戦士化したあとの筋肉痛もかなり軽減する。


 そして、一年が経つ頃。俺は狂戦士という適正を完全に制御できるようになっていた。


 こうして俺とエルは一年以上にわたるゴブリン討伐に終止符を打つことになる。金も稼ぐことが出来た。半年も過ぎた頃には、月に二百万ディナールぐらいは安定して稼げるようになっている。


 それと、毎回大量の討伐報告を傭兵ギルドにしていた影響か、街ではちょっとした有名人になっていた。そのおかげでシャティヨンの街ではブラックシープの名が広まり、加入希望者まで現れ始める。当時は俺の制御が怪しかったので全て断っていたが、これからは人を増やせるってわけだ。


「やっとこれで、傭兵団としての活動が出来そうですね!」


「ああ、そうだな。早速どんどん募集しようぜ」


 俺がそう言うと、エルは両手を振りながら自身の考えを話し始めた。


「今は傭兵団の中核となる柱が欲しいです。募集するなら部隊長からがいいかな。そこで、僕が面談して合格を出した人だけにしてもらいたいです」

いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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