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奴隷傭兵、スキル特訓を決意する

 道中そんな話をしつつ街道を馬車で行く。ようやく遠くに城塞都市が見えてきた。


「エル、見えてきたぞ」


 荷馬車の速度を上げていく。やがて高い城壁と無数のたなびく旗がはっきりと見えてきた。さらに進んで行くと城門に列をなす馬車や人の群れでごった返している。


「やけに厳重だな」


「ここは前線に近いところですから、それだけ検問も厳しくなります」


 戦場が近いと、さっきみたいな傭兵崩れの連中みたいのもうろちょろしているのかもしれない。長い間順番を待ってようやく俺たちの番が来た。城兵から尋ねられたのは目的と積み荷だ。積み荷はその場で異常がないか調べられる。


 最後に人相書きのリストを見せられて見覚えが無いか聞かれた。何枚かあって、パラパラと見ているうちにエルが声を上げる。エルが言うには道中襲ってきた連中がいたらしい。


 俺は途中で記憶が飛んでるからさっぱり覚えてなかったが。そのことを城兵に詳しく説明すると確認するとのことだった。どうやら奴らはこの辺を荒らしていた野盗らしく、賞金リストに載っていた連中だったらしい。野犬や獣あるいは妖魔に死体が食われてなければ、まだ残っているだろう。




 そんなこんなで時間はかかったが、俺たちもようやくシャティヨンの街に入ることが出来た。街に入ると歩いている連中の姿はガラッと変わる。やはり前線に近いだけあって若い男が多い。空気も州都のような穏やかな空気感は感じられない。疫病でピリピリとしていたが、それでもここよりは殺伐としていなかった。


 宿を取った後、すぐに商業ギルドに行き村で購入したさつまいもと小麦を売却した。儲けはさほど出ないが、それでも一週間の滞在費ぐらいにはなる。それからあとは、宿の場所を城兵の詰め所に行き連絡しておいた。これで、何かあればこちらに連絡が来るだろう。


 俺たちはその夜、宿で頼んだ飯を食べた。テーブルに運ばれた久しぶりの暖かなスープや肉料理に舌鼓を打ちながら今後の予定について話し合う。エルのかねてよりの提案で俺のスキル特訓が最優先ということになった。


 やはり、『引』をなんとか使えるようにならないとこの先も危なっかしくて戦えない。俺はパンを頬張りながらエルに尋ねた。


「なぁ、特訓はいいんだが金はどうすんだ?」


「それなら大丈夫です!こっちの傭兵ギルドなら妖魔の討伐依頼が途切れることはないので」


 妖魔とは、中途半端な知能のある獣を指す。森林地帯や山間に棲み付いており、街道まで出てくるようなことは余りなかった。それでも、毎年襲われる被害は後を絶たない。


 何より奴らの繁殖能力は異常で、とんでもない速さで増えるため常に間引きをしておく必要があった。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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