奴隷傭兵、金持ちになる
「バーンさま、エルさま、お待ちしておりました。昨日の薬剤の買取金額が用意出来ました」
「話が早いな。いくらになった?」
受付嬢はお待ちくださいと言うと、奥からトレイに乗せた革袋を持ってきた。
「グラディオーレの通常買い取り額ですと六万ディナーリですが。現在品薄のため価格が高騰してまして、こちらで八百万ディナーリで買取させて頂きます」
通常の何十倍もの買取金額!?俺たちはその額に思わず顔を見合わせた。俺の年収のいったい何年分だろうか。桁が違い過ぎてよくわからん。
「命がけで傭兵やってんのがバカらしくなる金額だな・・・・・・」
「ま、まだまだ序の口だよ。もっともっと資金がいる」
そう言いながらも資金を確認するエルの手は震えている。笑っちまう。ちなみに金はエルじゃなく俺が預かった。危なっかしくてとてもじゃないが任せられん。資金を受け取った後、その足でそのまま神殿へと行くことになった。
炎、水、大地、風の四つの精霊を治めるイシスの神を祀る神殿でのみ、適正が明かされるらしい。適正の鑑定が出来るのも神殿の司祭長のみだ。神殿の四隅には炎、水、大地、風の四つの精霊の像が立っており、それぞれが力を誇示するかのような恰好をしている。
そして、そのまんなかの天井に女神が描かれている。たぶん、それがイシス神なんだろう。俺たちが神殿に着いてうろうろしている、とその場にいた神官が対応してくれた。
「俺たちの適正の鑑定を頼みたいんだが」
「適正の鑑定・・・・・・あなたたちがですか?」
神官は不審者でも見るような目で俺たちに問い返した。そりゃそうだろう、適正の鑑定をするにはひとり百万ディナーリもかかる。
どっかの野盗みたいな恰好した俺たちがそんな金持ってるのを不審に思うのも不思議はない。だがそんなことに付き合っちゃいられない。
「そうだ。金ならある」
俺は革袋の中身をちらっと、その神官に見せた。
「少し、お待ちください。神殿長のスケジュールを確認して参ります」
その神官はチラッと中身を見てそう言うと、席を立ち、しばらくすると戻って来た。
「神殿長のスケジュールですが、六日後が空いております。そのときにまたお越しください」
神官の話によれば適正の鑑定には何時間もかかるため、すぐには出来ないらしい。だから予め予約を取る必要があるとのことだった。
「なーんか、色々面倒くせぇなぁ」
神殿の帰り道、俺は思わず呟いた。
「これからですよ。六日後また行ってみましょう!」
それから六日後、俺たちは再び神殿へと出かけることになった。
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