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◇第5話 トリデントベアー

少し長くなりました。

そこは高層ビル40階。10階ごとに止まるエレベーターを進めるためその階の魔物を殲滅させる必要があった。海斗とジョンは10階→20階→30階と順調に魔物を討伐していき40階に到着。1人と1匹はそれぞれ分かれて討伐に動いていたがしかしそこで初めて海斗は苦戦していた。


バサバサバサ!!


3体の鷹の魔物がたくさんの風の刃を海斗に向かって飛ばす。それは透明で姿が見えず速度も速い。そこは廊下で回避するほどの広さもなく魔法陣盾(マジックサークル)の発動も間に合わないため海斗は風の刃を受ける羽目になった。


ズシャシャシャシャ!


「ぐわあ!?」


傷だらけになった海斗。しかし海斗の窮地は終わらない。今度は頭上に張り付いたカエルの魔物が舌を伸ばして海斗の首を締め上げる。


「がっ!?」

「ケ~ロケロケロケロ」


首を絞められ海斗の命の()も残りわずか。とどめを刺すかのように5体のイノシシの魔物が瀕死の海斗に突進。そのままでは海斗はイノシシの魔物の角に貫かれて死を迎えるだろう。しかし海斗は朦朧(もうろう)とする意識の中なんとか反撃に移る。


「ぼ…雷閃紫弓(ボルテックスボウ)…」


パシュン!


放たれたのは紫色の雷の矢が1本。その速さはそれまでの雷閃弓(サンダーボウ)を超える速度で飛び5本に()()した。


「「「「「グモオオオ!?」」」」」


5本の矢はすべてが見事にイノシシを命中。それによってイノシシからの危機が去った海斗は行き着く暇もなく今度はカエルの舌を握る。


青炎放射(ブルーバースト)!」


最後の力を振り絞り放ったそれは海斗の手をつたいカエルの舌を焼きながらその身体ごと青い炎で燃え上がる。


「ゲロー!?」


カエルの討伐により首の締め上げによる命の危機から解放された海斗は安堵するのではなく残った鷹を処理するべく着地と同時に横っ飛び。


ダッ!


螺旋凍線(スクリューレーザー)!」


ズドン!


「「「キュエエエエ!?」」」


貫通力が高いこの螺旋凍線(スクリューレーザー)によって横っ飛びにより縦一列となった鷹の魔物は一撃で3体ごと身体を貫かれさらに凍る。こうして海斗はダンジョンに挑戦した初めての命の危機を乗り切った。


「がはっ!?はあはあ……はあはあ……」


やっと一息つけた海斗。すぐさま怪我を治すために白い魔法陣を()()で展開する。


「ぱ…完全治療(パーフェクトヒール)


その魔法陣は治療(ヒール)よりも回復力が高く死んでさえいなければどんな怪我も治す()()()()()


「ふう……危なかった。 レベルが100を超えてなかったら死んでたかも」


海斗はこの高層ビルでの戦闘によってレベルが100を超えていた。その結果として新たな魔法陣を習得。それが雷閃紫弓(ボルテックスボウ)青炎放射(ブルーバースト)螺旋凍線(スクリューレーザー)完全治療(パーフェクトヒール)。これらを発動する際に魔法陣が2つ現れることで海斗はそれを二重魔法陣と呼んでいる。


ちなみに魔法陣盾(マジックサークル)も二重魔法陣として発動されより強固な盾となった。


魔法陣盾(マジックサークル)……もっと反射レベルで発動できるようにならないとな……」


反省をしていると奥の道から細身のジョンが走って向かってくる。それは通常の日常生活よりは大きいがダンジョンでの今までよりは小さな体躯(たいく)。建物内という大きいことがデメリットになることを考慮したジョンのスピード重視の形態。


「わんわん!」


シュン!


海斗を見つけた喜びでスピード重視の形態のジョンが全力で海斗に向かって突進。それには海斗も大慌て。


「ちょっ!?ジョン!?おちつ!?」

「わおん!」


ドガン!!


「うぐほっ!?」


ジョンの突進によって吹き飛んでいく海斗。残ったのは首をかしげるジョンだけだった。


「わおん?」

/////

海斗とジョンは動けるようになったエレベーターに乗り最上階の50階を目指す。ちなみに先ほどのジョンからの突進によって海斗は治療(ヒール)ではなく完全治療(パーフェクトヒール)を使用している。


「わおん……」


しょんぼりしているジョン。それは先ほどの海斗への突進を反省してのこと。しかし海斗はそんなジョンの頭をなでる。


「ははは。大丈夫だよジョン。 俺がもっと強くなって全力のジョンを受け止めれるように頑張るからな!そのためにも待ってるだろうあいつを倒さないとな」


ウィン


エレベーターの扉が開き見えるのは虚空へと向かう階段。そしてその前を守るように存在するのは例の大熊=トリデントベアーだった。


「やっぱいたかお前。そんな気がしてたんだよな」

「わおん!」

「いくぞジョン!ここであの熊を倒すぞ!」

「わんわん!」


やる気十分の海斗とジョン。しかしやる気十分なのは相手も同じだったらしい。


「グガアアアア!!」


トリデントベアーは海斗とジョンが最初に出会ったような()()()()()()()()()()ではなく1人と1匹を敵とみなし溜めていた最大火力による一撃を放った。


ピジュン!!


それは頭と両肩に存在する3本の角から放たれるビーム砲。その威力は溜めが必要ではあるが最高級ダンジョンに出現する魔物の中でも上位に位置するほどの威力。ほとんどの人類が防御不可でありこの配信を見ている者たちも全員が海斗とジョンの死を確信した。


ドガーン!!


しかしビーム砲は海斗たちに当たる直前で右側に弾かれたことでビルを大きく破損させるのみ。


「あっぶね~……準備しておいてよかった……」


海斗はさきの教訓を生かしていつでも魔法陣盾(マジックサークル)を発動する心の準備をしていた。つまりビーム砲を防いだのは海斗の魔法陣盾(マジックサークル)となる。さらに海斗は直感的に正面に構えては二重魔法陣であっても貫かれることは必至(ひっし)。そう考えた末に魔法陣盾(マジックサークル)を斜めに構えることで受け流す形をとった。


「これでも二重魔法陣の魔法陣盾(マジックサークル)を破壊されるなんて……どんだけバケモンなんだよ……」


海斗がその威力に若干の恐怖をしているとジョンから警告がくる。


「わおん!」

「わかってる!」


トリデントベアーは自身の必殺の一撃が防がれたとみるや次の瞬間には海斗を直接たたくため駆け出していた。


「グガア!!」


ドン!!


雷閃紫弓(ボルテックスボウ)!!」


パシュン!


放たれた5本の雷閃紫弓(ボルテックスボウ)が分裂し25本となりすべてがトリデントベアーに突き刺さる。


「グガウ!」


それでも突進を一瞬のみ止める程度でダメージ量も少数。しかしその一瞬でスピード形態のジョンがトリデントベアーに接近しすれ違いざまに首を嚙みちぎる。


「ガブッ!!」

「ゴアア!?」


痛がり膝をつくトリデントベアー。海斗だけでなくジョンもまた強く成長していた。


「ナイスジョン!とどめだ!螺旋凍線(スクリューレーザー)!」


10本の螺旋凍線(スクリューレーザー)がトリデントベアーの首筋を狙う。それで海斗は終わらせるつもりだったがそう簡単には終わらなかった。


「グガアアアア!!」


ドガン!!


「まじかよ!?」


トリデントベアーは10本もの螺旋凍線(スクリューレーザー)を両腕で弾いて見せた。さらにトリデントベアーは近くにいたジョンを殴り飛ばす。


「グガアア!!」


バガン!!


「きゃいん!?」


しかしなんとかジョンは下がったことで直撃は免れた。しかしその間にトリデントベアーの背後に海斗が急接近。


「後で治してやるからな!ジョン!青炎放射(ブルーバースト)!!」


至近距離から青炎放射ブルーバーストをジョンが一部を嚙みちぎった首筋に放射。


「グガアアアアアアアア!?」


バタン


そうしてトリデントベアーは討伐された。海斗とジョンの勝利となった。

/////

◇:うおおおおお!?トリデントベアーを倒したぞ!?

◇:わずか数日でトリデントベアー討伐!?ありえねえだろ!?

◇:へ、へん!能力に恵まれただけだろ!

◇:どんな能力が発現するかも才能しだいなんだよな~。

◇:いるんだよな~。天才って言葉が安く聞こえるやつが。

◇:ジョン君に噛み千切られたい。

◇:ジョン狂信者がいるぞ。

◇:これはついに来たか?日本初の【神域者(ディアファイド)】が。

◇:すぐに有名になるぞ。この白仮面。

/////

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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