第4話 階段探し
海斗がジョンと共にダンジョン配信者デビューをしたその夜。さすがに探索者としての知識がなさすぎるとしてほかの人たちの配信を見て勉強をすることに。
「さすがにこの人は俺でも知ってるぞ」
海斗は勉強のためにトップの探索者の配信を見ることにした。それはレベルが9999とカンストした【神域者】の1人であり名をアーノルド・スターリング(27歳)。
ちなみに【神域者】へと至っている者は世界中の何百万や何千万以上の探索者の中でもたったの4人。その中でも名実ともに世界最強なのが最高級難易度ダンジョンを最も多く攻略しているこのアーノルド・スターリングというアメリカ人である。
「この異名からもうかっこいいもんな~」
アーノルドの異名は誰が呼び出したか【至高なる神】。まさに最強にふさわしい異名といえるだろう。
「それにしても……凄すぎて見ててもなんの参考にもならないな……もっと弱い人の配信を見るか」
そうして海斗はその夜いろいろなダンジョン配信者の配信を見て勉強をし続けた。それが身になったかどうかは別として。
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初めてのダンジョン挑戦から数日が経過。海斗は戦いにも慣れ始めレベルも上がり討伐できる魔物も増えてきた。今は戦闘に慣れてきたこともありジョンからは降りて戦闘中。
「雷閃弓!」
パシュン!
速さが特徴の黄色の魔法陣にて雷の矢が放たれる。標的はこちらも速さが武器の黄色のウサギ"エレクトロラビット"。しかし速さ勝負に勝ったのは海斗の魔法陣のほう。
「キュアア!?」
身体がしびれその場で倒れ込むエレクトロラビット。雷閃弓は速く相手に当たるとしびれさせる効果もあるが単体での攻撃力としては弱めである。しかしそれを理解している海斗は次の魔法陣を即座に放つ。
「火炎放射!」
ブオオオ!
殲滅力の高い赤の魔法陣から放たれた炎がエレクトロラビットに放射された。それはエレクトロラビットの身体を包み込み対象は討伐された。
雷閃弓にて敵の身動きを封じて火炎放射や貫通力の高い青の魔法陣である放水光線にて敵を討伐する。それが最近の海斗の基本的な戦い方となっている。
「うんうん。だいぶ戦いにも慣れてきたかも。ジョンはどうだ?」
「バウバウ!バウ!」
「そうだな。俺たちの連携力も高くなってきてレベルも上がってきたけどまだまだ気は抜けないよな」
この数日で海斗のレベルも100に近くなってきたこともありより一層、魔法陣が強力になっていくがそう簡単には余裕は生まれない。それほどにこのダンジョンにいる魔物たちも強力だった。
「それにしても……次に進む階段を探してるんだけど一向に見つからないな?街中で探せる範囲は探し尽くしたように感じるんだけど……やっぱり建物の中か?」
この街はあくまでダンジョンの1階層であり広さにも限界は存在する。海斗は次の階層へ行くための階段を探すためジョンに乗って街中を探索していたのだが一向に見つけることができなかった。
そのため海斗は建物の中に次の階層へ行くための階段があると考えたが街にある建物の多さに辟易していた。
「全部見て回った方がいいのか?……はあ……とりあえず一番高い場所から見ていくか」
そうして海斗は1階層の街で一番高い高層ビルに入ることに。
ウィン
自動ドアを通ってビルの中へ。
「ええっと…エレベーターは…」
キョロキョロと見ていると端の方にエレベーターを発見。乗り込む。
「50階まであるのか」
とりあえず最上階の50階のボタンを押して扉が閉まる。エレベーターが上昇し液晶にも数字が上がっていく。
「ふう。 早く見つかってくれればいいんだけどな〜」
「わんわん」
ちなみにジョンはエレベーター内ではあの大きさでは狭くなってしまうため元の大きさに戻っている。
そしてそのままエレベーターが50階までいくのかと思いきやエレベーターは突如として押してもいない10階で止まった。
「え?10階押してないんだけど?」
「わん?」
首を傾げる海斗にジョン。すると声が聞こえてくる。それはダンジョンからの声だった。
【10階に到着いたしました。10階に存在する全ての魔物を討伐いたしましょう】
ピン♪
音が鳴り扉が開かれる。すると目の前に飛来するのは蜂の群れ。
「「「ビイーーー!!!」」」
「っ!?魔法陣盾!」
キキキキキキン!!
なんとか反射的に発動した魔法陣盾によって襲来する蜂の群れを防ぐ海斗。
「虫には炎!」
ブオオオオオ!!
海斗はそのまま火炎放射を発動しすべての蜂を焼却する。
「っぶね~。死にかけた~」
「わん?」
心配そうに海斗を見るジョン。
「大丈夫だよジョン。心配してくれてありがとな~!」
わしゃわしゃわしゃ!
「わんわん!わふん!」
全身を撫でられてご満悦なジョン。海斗としてもそれによって死にかけたことによる心の傷を癒す。
「さてと。で?どういうこと?」
「わん?」
海斗はこれよりビルの中で多くの魔物と戦うことになる。
「まるでプチダンジョンだな……ちょっと違うか?」
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