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第31話 笹木家の豪邸

言っていなかったかもしれませんが綺亜蘭(きあら)はアメリカとのハーフです。

ダンジョンクリア報酬で出た黒と白の宝石の鑑定のためIGJへの紹介状をもらいに世界的大富豪の笹木家にやってきた海斗たち。笹木家の送迎のリムジンは笹木家の門をくぐり庭に突入してから数分後にやっと豪邸の屋敷が見えてきた。


ちなみに終始ジョンは静かに寝ているのみだった。


「見えてきましたね。あれが私たちが暮らしている家になります」

「あれが本物なのか」

「確かに今までの従業員用の寮とは違ったザ・豪邸って感じがするね」

「なんですかザ・豪邸って?」


ちなみに庭には従業員が暮らすための寮が存在する。そこもまた世界的大富豪笹木家の名にふさわしい寮となっているとだけ言っておこう。


「到着いたしましたお嬢様」

「ありがとうございます」


車が屋敷の玄関の前で止まる。そして当たり前のように玄関前にメイドと執事が列になって綺亜蘭(きあら)を出迎える。


「「「お帰りなさいませお嬢様」」」


車の扉が開き外に出ると訓練されたかのように一斉に頭を下げて言葉を合わせる。それにも慣れたとはいえ海斗と祥子は驚愕の気分となる。


「……何回目かわからないけど……笹木家って本当にすごいな……」

「……こういうのってフィクションだと思ってた……」

「……なんかすいません……」


そんなことを言いながら3人と1匹は左にメイドの列・右に執事の列の道を通り玄関扉のほうへ歩き出そうとすると扉が開かれる。


キイー


「待っていたよ綺亜蘭(きあら)

「おかえりなさい綺亜蘭(きあら)ちゃん」


屋敷の中から登場したのは綺亜蘭(きあら)の両親である笹木大樹(だいじゅ)(40歳)と笹木リリア(40歳)の2人。


「お母様!」


両親を見つけ笑顔となった綺亜蘭(きあら)は母親の名だけを叫び母親に抱きつきに行く。その隣では自分に来ると思って手を広げて待っていた父親が固まっている状態。


「あの……綺亜蘭(きあら)ちゃん?お父様もいるんよ?」

「うん。見えてるよ。ただいまお父様」


綺亜蘭(きあら)は母親に抱き着きながら顔だけを動かして素っ気なく返答する。それには父親も肩を落として悲しそうにする。


「そうだ!紹介するね!この人たちが私の探索者として一緒にダンジョンに潜っている仲間だよ!」

「そうですか……あなた方が……」


綺亜蘭(きあら)の紹介によって母親も復帰した父親も海斗たちへ視線を向ける。


「初めまして。綺亜蘭(きあら)ちゃんを預かっていた六ノ宮海斗と申します」

「一緒に海斗の家で暮らしていた本宮祥子です」

「バウ!」


ジョンが挨拶するように鳴く。すると海斗はジョンの頭をなでながら2人に許可をもらう。


「この子はジョンって言います。私の愛犬なんですが家の中に入れてもいいでしょうか?」

「ええもちろん。私たちも動物を飼っていたりするから大丈夫よ」


そうしてジョンもきちんと許可をもらうことに成功した。するとそんな中で海斗の前にやってくる笹木家当主:笹木大樹。その目は娘の綺亜蘭(きあら)を見つめる優しい眼差(まなざ)しではなく捉えた人物の真偽を判断しようとする厳しい父親の眼差しだった。


「…………」

「……あの……えっと……」


眼前でじっと睨まれている海斗はどうすればいいかわからずに困惑。


「……入りなさい……じっくりと中で話を伺おうじゃないか……」


そう言って海斗の両隣には屈強な男たちが2名1人ずつ立つ。


「なんか……警戒されてる?」

「娘の父親だったらしょうがないんじゃない?相当溺愛してるっぽいし」

「お父様がすいません。海斗さん」


綺亜蘭(きあら)が戻ってきて頭を下げて謝罪する。とりあえずこれはこのままとして海斗たちは歩く。ちなみにジョンは途中で笹木家の飼っている動物たちのもとへ向かった。


「なんか象とかいなかったか今?」

「キリンとかパンダなんかもいたわよ。 まるで動物園ね」


道中で驚きながらも海斗たちは部屋に通される。椅子に座りコーヒーなどがやってきて詰問開始。


「さて、君にはいろいろと聞きたいことが山のようにある……覚悟はいいかな?」

「はい。どんなことでも包み隠さずにお答えいたします」


海斗はまるで圧迫面接を受けているかと思うほどに強い眼力で笹木大樹からにらまれている。対照的に母親の笹木リリアはニコニコで楽しそう。


「ちょっと!?お父様!?どうしてそんなに!?」


なぜかケンカ腰とも捉えることができるような態度の父親に綺亜蘭(きあら)は椅子から立ち上がり怒りをあらわにする。


「座りなさい綺亜蘭(きあら)。これは男と男の戦いなんだ」

「はあ?戦いってどういう?」


理解不能な綺亜蘭(きあら)。しかしそれを海斗が制す。


「大丈夫だよ綺亜蘭(きあら)ちゃん。君のお父さんは綺亜蘭(きあら)ちゃんのことが大好きだからこそ俺のことが気になるんだよ。普通のことだと思うよ」

「そう、なんですかね?」

「とりあえず海斗に任せてみよう?綺亜蘭(きあら)ちゃん」


祥子の説得もあり綺亜蘭(きあら)は不承不承ながらも椅子に座りなおす。


「六ノ宮海斗君といったかな?よくわかっているじゃないか。 私は家族がなによりも大切なんだ……家族の身になにかがあれば我が笹木家の使えるすべてのチカラを使用して守り抜く。その覚悟が私にはある……」

「……」


緊張しながらも海斗は大樹の次の言葉を待つ。予想している質問としては六ノ宮海斗としての経歴や強さなど。さらに海斗の家での綺亜蘭(きあら)の過ごし方などを予想していたが父親:笹木大樹からの質問は海斗の斜め上をいった。


「君は()()()()()()()()()んだね?」

「え?」


そんなまさかの質問に戸惑いのような声を上げる海斗に対して綺亜蘭(きあら)は恥ずかしそうに顔を赤らめ両手で覆っている。祥子はそんな綺亜蘭(きあら)を同情するように慰める。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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