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第25話 思わぬ足止め

海斗の強さに驚く祥子と綺亜蘭(きあら)だったがとりあえず自分たちで攻略した時計塔のボタンを2人と2匹で一緒に押すことに。


「せーの!」

「えい!」

「にゃー」

「バウ!」


祥子の合図によってボタンは押されて時計塔から空に向かって光が放たれた。こうして4つの時計塔すべてから光が放たれるとその光たちが第五階層から上がってきた各時計塔へとつながる橋が架かっている中央の場所に集まるとその光が階段を形成していく。


そしてそんな幻想的な光景に一同は静かに光を眺めていた。


「きれい~……まさかダンジョンの中であんな綺麗な光景を見られるだなんて……」

「確かに。 ここがダンジョンって度々忘れるよ……」


祥子のつぶやきに海斗は祥子の隣にきて答える。すると祥子は若干頬を赤らめながら海斗に微笑み感謝を述べる。


「ありがとう海斗」

「いやいや。祥子たちも朱雀を倒したんだから俺にお礼を言うのは違うんじゃないか?」


海斗はこの幻想的な光の光景を見れたことについて言っているのだと思って返答したがそれを祥子は首を振る。


「違うの……まだちゃんとお礼を言ってなかったと思って。 私を救ってくれてありがとう。これはほんのお礼」

「え?」


祥子はそう言って海斗の頬にキスをした。そんなまさかの行動に海斗は呆然として固まってしまう。


「…………」

「ふふ♪ただのお礼だから気にしないで♪」


一方で衝撃で固まる海斗と嬉しそうに笑顔となる祥子。その表情がますます海斗を混乱させる。


「いや……でも……」


かつて好いていたが諦めた女性からのお礼に海斗の心はかつての気持ちが再び浮上してこようとしていた。しかしその場には当然ながら海斗と祥子の2人だけでない。


「…………はっ!?祥子さん!?恋人でもない海斗さんに対して!?……その……あの…………き、キスをするなんて…………」


祥子のその行動に綺亜蘭(きあら)はなぜか海斗と同様に思考を停止させた。そして再び稼働した時には祥子に対して顔を赤らめて糾弾して恥ずかしがっている。


「あら?意外とそっちなの? へえ~…………これは一歩リードね」

「なっ!?」


祥子からしたら意外と純情だった綺亜蘭(きあら)。どうやら恋のライバル?同士の戦いはまずは本宮祥子の初戦勝利となったらしい。


そんな戦いの中心人物の海斗は祥子の行動を"会わなくなってから随分と大人になったんだな"で終わらせた。

/////

そうして一同は第七階層へとやってきた。そこは住宅街のようになっていたが当然ながらただの住宅街ではなかった。そこは道がいくつも存在し複雑に曲がりながら時には坂の道や階段の道だったり。まるで迷路のような道となり海斗たちを惑わせていた。


さらに迷路には海斗たちの命を狙うトラップが存在した。それは時には足元から鋭利な剣山が突き出たり・強力な魔物が出現したり・時には頭上からマグマが落ちてきたり・時には入った部屋の屋根が落ちてきて押しつぶされそうになったりetc…。


精霊銃(スピリットガン)白氷光弾(クライオ)】!」


パアン!!


「くっそ!なんどやってもダメか!」


海斗は第七階層に苦戦中。第六階層をわずか30分もみたない短い時間で攻略したが第七階層の迷路にはかれこれ数ヶ月は滞在している。


そしていま行ったのは水の魔法陣の氷人(グラシエル)モードにて行われる白い二丁拳銃から放たれる氷のレーザーを溜めて溜めて一気に放つ貫通力に優れた技。それは青龍を一撃のもとに焼き切った炎人(イフリート)モードでの精霊剣(スピリットソード)大炎斬(ブレイザー)」の氷人(グラシエル)モードでの技。


しかしそんな技をもってしても迷路の壁を壊すことはかなわない。


「いい加減あきらめましょう海斗さん。迷宮の壁は破壊不可能の存在なんです。いくら海斗さんでも壊して迷路を簡略化させるのは無理ですよ」

「まあ気持ちはわかるけどね。第六階層での海斗の異常な強さを感じてすぐにこのダンジョンは攻略されるって思ってたけど……まさかこんな方法で足止めを食らうなんて」

「バウ~」


海斗たちは迷路という思わぬ足止めに意気消沈。なんとか海斗は迷路の壁を壊せないかと各モードの技で攻撃してみたり、頭上が開いているので飛び越えようとしてみたり。だが数ヶ月ものあいだ足止めを食らっていることを理解すればそれが失敗に終わったということはすぐにわかると思う。


ちなみにこの数ヶ月で海斗はもちろんのこと祥子と綺亜蘭(きあら)の実力・レベルが随分と上昇。初めに苦戦していたトラップたちも今ではなんでもないかのように対処している。今の実力ならばあれだけ苦戦しながらみんなで討伐した朱雀を軽くあしらうように討伐できるだろう。


「でもあともうちょっとです。 こっちの道は完全に行き止まりで()()()のところだったのでこっちに行きましょう」

「ひぃぃ!?」


祥子は綺亜蘭(きあら)()()()という言葉に恐れ悲鳴を出す。


「ああ、あれか……祥子が無数にいる虫たちを悲鳴を上げながら切り裂いてた……」

「あの時の祥子さんが一番剣速が速かった気がします。にゃーちゃんが全然反応できてなかったですし」

「もういいじゃない!あの時のことは忘れましょう!綺亜蘭(きあら)ちゃん!こっちの道に行くのよね!」


そういいながらずんずんと祥子は先を歩いていく。しかしそれが災いしてまたしても虫地獄にハマってしまうことになるのだが。


そんなこんなで海斗が家の扉がダンジョンの扉につながっていると発見し探索者となってから約半年。第七階層を抜けその日に海斗は街ダンジョンを()()する。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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