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第23話 vs朱雀②

祥子・綺亜蘭(きあら)・ジョンは赤い大きな鳥=朱雀を相手に戦っていた。当初は空より放たれていた火の弾幕による攻撃。しかしそれの効果が薄いと考えたのか朱雀は自らの身体を燃やし襲い掛かる戦いに切り替えた。


シュオー!!


「っ!?」

「にゃご!!」


まず朱雀は黒虎であるにゃーちゃんに飛来した。そのスピードは綺亜蘭(きあら)でさえなにも言葉を発することができず、海斗やジョンさえも上回るスピードを誇るにゃーちゃんでもギリギリ避けれるほどに超高速。


「速すぎる!?」


速さに自信がある綺亜蘭(きあら)でさえ思わずそうつぶやくほどに朱雀の速さに驚愕した。そして避けられた朱雀は標的をにゃーちゃんからこの中でもっとも速度で劣っている者に変更した。そしてそれを綺亜蘭(きあら)も理解した。


「まずい!?祥子さん!?」


シュオー!!


如何(いか)なにゃーちゃんでも朱雀を相手にしては助けに入るには気づくのがわずかにコンマ遅かった。なにせすでに朱雀は祥子に向かって飛来していたから。


「…ふう…」


祥子は目をつぶり一か八かのカウンターに賭けるしかないと判断し納刀しようとしている。それは納刀から一瞬にして抜刀する最速の抜刀術「零刀送り」。たしかに祥子が万に一つでも生き残るにはそれしか方法はないだろう。その類まれな戦闘センスを発揮して圧倒的速度を誇る朱雀を完全に見切り・半歩の移動で回避しながら切りつける。これが成功すれば逆に朱雀に大ダメージを与えることができる。もしかすれその一撃で討伐まで出来るかもしれない。


しかし先に結論を言えばその先に()()()()()。たしかに祥子の戦闘センスならば()()もすればそれほどの技量を身に着けるのは可能かもしれない。しかし今現在の祥子にその技量は存在せず火事場の馬鹿力のような都合にいい覚醒も起こらない。祥子は賭けに負けてその身を切り裂かれて死亡する。身体は朱雀の炎で炭も残らないだろう。それほどに青龍とならび朱雀も強すぎた。


「バウ!」


バドン!


「クエ!?」


しかし結果的にその可能性の未来は訪れることはなく祥子はジョンが朱雀をはたいたことで命が助けられた。


「はあ。 ジョンありがとう」

「バウバウ!」


祥子はそのままジョンの背中に乗ってなんとか事なきを得る。それに対してはたかれた朱雀は再び舞い上がり標的をジョンに定めた。


「クエーーーー!!!」


バサア!


ジョンに対して火の弾幕を展開。


「ジョン!私のことは気にしないで!自分で対処できるから!」

「バウ!」


ジョンに乗っている祥子は迫る火の弾幕を斬ることで排除する。しかしそれは朱雀の目晦(めくら)まし。朱雀はそんな火の弾幕に隠れ高速で飛来する。


「クエエ!!」


シュオー!!


しかしジョンは火の弾幕の処理をしつつも朱雀をしっかりと認識していた。そしてジョンは迫る朱雀に対して先ほどと同様にはたきおとす。


「バウ!」


バドン!


「クエッ!?」


しかしジョンはそれ以降の攻撃は行わずに逃走を選択する。それは()()()()()を完遂するために。


「クエーーーー!!」


さすがに2度も敗北した朱雀は実力の差を痛感したのかそれ以降はジョンに対して飛来してくることはなくなった。そして標的はにゃーちゃんと背中に乗る綺亜蘭(きあら)となった。


「舐められてるよにゃーちゃん!!」

「にゃーご!にゃごにゃご!」

「だよね!スピードで二度も負けてられないよね!」

「にゃごー!!!」


そうして続けられる朱雀vsにゃーちゃん&綺亜蘭(きあら)。朱雀がにゃーちゃんに飛来しそれをかわして一撃を入れる。逆にかわし切れずに攻撃がにゃーちゃんをかすめる時もあった。そんな激闘が5分以上も続いていた。その間のジョンと祥子はその中には入らずに見守るのみ。それは綺亜蘭(きあら)からの言葉にあった。


『祥子さん!ここは私たちにやらせてください!たとえ空中とは言え避ける余裕を与えたことはスピードで敗北したということ!私たちはスピードで負けたままで終われません!』


その言葉に祥子は見守る判断をした。


「まあ結局はジョンに乗らないと戦えない私に拒否権はないんだけど」


そう言って目の前の戦闘に参加できない己の実力不足に落ち込む祥子。


「バウバウ!」

「慰めてくれるの?ありがとうジョン」


しかし祥子は戦いをあきらめたわけではない。もしかしたらの可能性に賭けジョンに乗ったまま激闘を見守る。霊刀・黄泉比良坂(よもつひらさか)()()した状態で。


「段々と見えてきたかも。 上!」

「にゃご!」


シュオー!


にゃーちゃんはジャンプすることで朱雀を回避。しかしなおも朱雀は飛来する。


「にゃーちゃん!」

「にゃご!」


シュオー!


壁を反動として再び避けるにゃーちゃん。これでにゃーちゃんは連続で避けて見せたことになる。綺亜蘭(きあら)とにゃーちゃんは傷を負いながらも行われた激闘によって徐々に朱雀の動きを(とら)え始めていた。


そうなれば最後はタイミングを計り最強の技で朱雀を切り裂くだけ。そしてその時は訪れた。


「スピードは私たちのものだ!」

「にゃご!」

「クエーーー!!!」


シュオー!!


朱雀も今までより速い自身の最高速度にて綺亜蘭(きあら)とにゃーちゃんに襲い掛かる。しかしいかに少しばかり速度を上げようともその動きはすでに捉えられた後。ゆえににゃーちゃんによって華麗に避けられた。


そして朱雀が今まで最高速度を出していなかったのはすぐに軌道修正ができないから。わずかコンマとなるが操作には時間を要する。そしてそんなコンマの時間で綺亜蘭(きあら)とにゃーちゃんには十分だった。


「にゃーちゃん!幻霊虎(マルタタイガー)!!」

「にゃごー!!!!」


それはにゃーちゃんの最強の技。右前足が黒いエネルギーで包まれてそれは大きな手となりそれが朱雀の背中から振り下ろされた。


ズザン!!!


「クエー!?!?」


ドガン!!


朱雀はにゃーちゃんが繰り出した最強の威力を誇る技によって切り裂かれ地面にたたき落された。


「やった!やったよにゃーちゃん!」


朱雀を倒したと思い喜ぶ綺亜蘭(きあら)だったがにゃーちゃんにはわずかに急所を外された感触があった。


「にゃご!」


朱雀は大ダメージを負わせることに成功はしたものの再び立ち上がり今にも羽ばたき空中に逃亡しようとしているところだった。


「そんな!?空中に逃げられてもし回復されたら!?」


しかしその綺亜蘭(きあら)の心配は杞憂(きゆう)に終わる。この時を待っていたかのように朱雀が地面にたたき落された瞬間から祥子はジョンの背中から跳躍。朱雀の頭上にやってくると10秒以上納刀しなければならないあの技を繰り出した。


「黄泉送り」


サン


「…………」


パタン


朱雀は祥子に魂を切られたためなんの音も発さずに死を迎えた。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 朱雀、今のメンバーの誰か一人でも欠けてたら負けてたでしょうね…それくらい強かった。 朱雀がいる→やはり残りの青龍・白虎・玄武ともいずれ戦う時がくる…のかな?
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