第22話 vs朱雀①
祥子たちは橋に現れた赤い鳥の魔物に全て討伐。橋を渡り時計塔へと近づいて行く。
「あれで終わりでしょうか?」
「さすがにそんな事ないでしょ?それだと今までと比べてあまりにも簡単すぎじゃない?」
「そうですよね。気を引き締めないと!」
「にゃ〜」
ちなみに綺亜蘭のにゃーちゃんはすでに黒猫に擬態している。本来の姿は黒虎なのだが普段の姿として便利なのは黒猫の方という事でにゃーちゃんは黒猫に擬態している。
「…青い蛇の次は赤い鳥。4つの時計塔ごとに出現する魔物が違うのならこの先に待ってるのはたぶん…」
祥子が予想していると2人と2匹は時計塔にある程度近づいたその時!
「クエー!!!」
先ほどの橋にいた赤い鳥とは桁違いの大きさを持つ西洋龍のような存在=朱雀が存在した。
「やっぱり……あいつらの親玉がいたわね……」
祥子たちは時計塔の前に現れた空にいる朱雀へと視線を向ける。
「どうします祥子さん?私たちの戦闘スタイルだと飛ばれたら」
綺亜蘭がこの場にいる全員が近接タイプなため空を飛ばれると対処が困難となる。それを祥子と相談しようとすると朱雀が先に動いた。
「クエッ!」
バサァ!!
朱雀は宙に浮き翼を羽ばたかせた。するとその赤い両翼から火の弾丸が無数に弾幕となって降りそそぐ。
「にゃー!」
「変異進化!」
綺亜蘭は即座ににゃーちゃんを黒虎の姿へ戻し背中に乗って逃走。にゃーちゃんが弾幕の隙間をぬって弾幕を回避する。
「バウバウ!」
ジョンはにゃーちゃんには劣るが高速移動にて回避しながらも回避できない火の弾丸を爪で切り裂くことで凌いでいる。
一方で祥子はといえば、
「綺亜蘭ちゃんの言う通り飛ばれたままだと攻撃ができないのよねえ……降りてきてくれないかな?」
ザン!ザン!
特に速く動くわけでもなく必要最低限の動きで回避したまに火の弾丸を切り裂いていた。しかもほかのことに思考を割くほどに余裕をもって。
「……祥子さん凄すぎじゃない?……」
綺亜蘭はそんな祥子を見て呆然としてそう呟いていた。
そうして空中から降り注ぐ朱雀の火の弾幕は3分以上は続いた。そのまま時間だけが過ぎていく中ここで綺亜蘭とにゃーちゃんが動く。
「にゃーちゃん!」
「にゃご!」
綺亜蘭はにゃーちゃんに指示。時計塔の外側を駆け上がらせてできる限り近づこうとする。そして時計塔のてっぺんまでやってくると、
「にゃーちゃん!北境!」
「にゃごご!」
ダン!!
時計塔を足場にして跳躍。朱雀へと襲い掛かる。北境はにゃーちゃんが最速で駆け抜けて切り裂く黒虎時の2つある中の1つの技。しかしそれは足場のない空中では一か八かだった。
「(いける!)」
綺亜蘭は朱雀が反応できていない様子を見て攻撃が通ると考えた。しかしそこはすでに朱雀のテリトリー。鳥を相手に空を飛べない生き物が空中戦を挑むことはハズレを引けば死を意味していた。
バッ!
もう少しでにゃーちゃんの攻撃が通ると思われていたその時に朱雀がさらに上空へ羽ばたいた。
「そんな!?」
驚愕する綺亜蘭。しかしその時に綺亜蘭がすべきことは驚くことではない。回避の手段を指示することだった。
「クエ――!!」
バサア!!ビュン!!
朱雀は上空に移動すると即座に翻し身体を燃え上がらせて空中にて無防備となったにゃーちゃん目掛けて襲い掛かる。その速度は火の弾丸を遥かに超える速度だった。
「にゃご!」
それを感知したにゃーちゃんは身を傾けることで綺亜蘭を振り落とす。
「にゃーちゃん!?」
それによって綺亜蘭は飛来する朱雀の軌道からは回避できたがそのままにゃーちゃんは朱雀の翼によって身体を切り裂かれ
「壱刀送り!」
カン!
なかった。すんでのところで祥子が朱雀の嘴に対して峰の部分で霊刀・黄泉比良坂を振り下ろすことで朱雀の軌道が変化。さらにその直後ににゃーちゃんが黒猫の姿となったことで朱雀の翼は黒猫のにゃーちゃんのギリギリ上を通過した。
「ジョン!」
「バウバウ!」
タッ!タッ!タッ!タッ!
落下していた祥子は空中を駆けているジョンに乗って墜落を回避。そのまま綺亜蘭もキャッチした。
「ふう。なんとか間に合ったわね」
「バウバウ」
どうやらジョンには空中を移動する力があるらしい。それによって祥子を背中に乗せて危機一髪にゃーちゃんを助けることに成功したようだ。
「ありがとうございます祥子さん!祥子さんが助けてくれなかったらにゃーちゃんは!」
「お礼は後だよ。ここからが第2ラウンドみたいだから」
地面に着地して綺亜蘭はにゃーちゃんと合流。即座に変異進化にて黒虎となる。
空を見上げれば身体を燃え上がらせ翼をはためかせている朱雀がそこにいた。
「お互い決着つけたいもんね」
「クエー」
朱雀が空中より弾幕を展開するやり方から直接攻撃に切り替えたことでこの戦いの終わりも近づいていた。それはどちらがより速く相手を切り裂けるかの勝負でもあった。
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