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第20話 慢心

祥子たちと別れた海斗は1人で橋を渡り時計塔へ近づいていく。ちなみに現在の海斗は融合を解いた通常のスタイル。


「たぶんここになにかがあると思うんだけどな~」


そう予想したからこそ祥子たちにもほかの時計塔に行ってもらった。そしてその海斗の予想は当たることになる。


「中になにか……。あれはもしかして……」


海斗が時計塔に近づいていくとその前にまるで時計塔を守護するように浮かぶ青い龍が姿を現した。


「グギャアアア!!」


ブオオオ!!


「くっ!?」


その咆哮は攻撃でもなくただ大きく吠えただけ。たったそれだけで海斗は必死に耐えなければ吹き飛ばされそうになっていた。


「ガアア!!」


必死に耐えている海斗に対して青龍は容赦なくブレスを放つ。それは蛇の出していた青い炎とは比較にならないほどのあたり一帯を焦土と化しそうな範囲と火力だった。


ボガーン!!


それは今までの海斗であれば防御も回避も間に合わずこの世から去っていたかもしれない。しかし今の海斗には力があった。


「ふう……あぶねえ。なんとか間に合った……」


海斗は直前で炎人(イフリート)モードになることで青い炎が直撃しても無傷となっていた。


「なるほど。炎人(イフリート)モードは炎を無効かするのか。 それにしても()()()4()()()()()()。龍も西洋の龍ではなくアジアに伝わる東洋龍のほうね……」


なにかを感づいた海斗。しかしその思考は中断される。


「ガアア!」


ボン!ボン!ボン!


一撃で効果がないならばと青龍は青い炎のブレスを一塊(ひとかたまり)として連続で繰り出し続けた。


「試運転の相手にはちょうどいいか!ハア!」


海斗は大剣を召喚し迫りくる青い炎を切り裂いていく。


ザン!ザン!ザン!


しかし次々と上空より飛来する塊の炎を切り裂くことに意識を向けすぎた海斗は下への警戒がおろそかになっていた。


ブン!


海斗に迫っていたのは青龍の長い体の後半部分。青龍は上に意識をもっていかせて尻尾?で攻撃。それは見事にハマり海斗は直前になってから気づいた。


「しまっ!?」


ドガン!!


「ガハッ!?」


吹き飛ぶ海斗。その威力は川を超えた先の建物の壁を破壊するほど。


「グフッ!?ハアハア……調子に……乗ったか……」


海斗は新たな力を身に着けた影響で誰にも負けないのでは?と考えてしまっていた。それはなにかあると判断していた時計塔に近づいているというのに融合を解いた通常の状態でいたことからもわかる通り。

しかし青龍に吹き飛ばされたことでその慢心は消え去った。


「こっからは全力だ」


海斗は白い魔法陣の完全治療(パーフェクトヒール)にて傷を癒し炎の勢いを利用して大跳躍。


ダン!!!


「グギャア!!」


ブン!!


大跳躍にて空中にいる海斗に対して青龍は尻尾を振り下ろす。


「二度同じ手が効くかよ!」


ザン!!


迫る尻尾に対して海斗は大剣を振りかぶることで青龍の尻尾を切断。


「グギャア!?ガアア!!!」


痛みで叫ぶ青龍。しかしそれは一瞬ですぐさまブレスを吐く。


「油断はしないが」


ダン!


海斗はブレスに対して突っ込む。本来であれば一瞬にして炭と化すその行為も現在の海斗には効果なし。


「グギャ!?」


青龍のブレスは炎人(イフリート)モードによって無効化されている。尻尾などの物理攻撃も慢心がなくなった今の海斗にはダメージを与えることさえ難しい。


そして海斗はブレスをかいくぐり青龍の眼前に姿を現した。


「圧勝させてもらう」

「グギャア!!」


青龍が最後の手段として海斗に頭突きを繰り出そうとした瞬間に海斗は青龍との戦いを終わらせる。


精霊剣(スピリットソード)大炎斬(ブレイザー)』!」


ザン!!!!


海斗は迫る頭突きを無視して大剣を振り下ろす。それは海斗が祥子たちに見せた炎の斬撃となって飛んでいき青龍の身体を真っ二つにした。


「ふう……さすがに相性が良すぎたか……」


本来であれば青龍の最強の攻撃方法であるブレスを海斗は無効化できるというところが青龍にとっては相性最悪の相手だった。


「青龍を倒して終わりか?」


念のために時計塔に向かってみると時計塔の中にボタンが存在した。


「これか」


それを押すことで時計塔から光が天に放たれた。これで1/4の時計塔を攻略した。


「みんなは大丈夫かな?」


海斗は祥子たちを心配しつつも争いの音が聞こえてこないほかの2つの時計塔に向かうことにした。

/////

◇:いやいやいや!?

◇:なんだあれ……

◇:確かに龍なんて最高級ダンジョンにしか出ないもんな。

◇:なにいってんだよ!?明らかにそこじゃねえだろ!?

◇:数レベル上がるだけで龍を圧倒とかずるくない?

◇:あの龍が弱かったとか?最終的には一瞬だったし。

◇:そう思うのなら探索者を引退したほうがいい。あの映像越しでも伝わる圧力は最高級ダンジョンの上位階層相当の龍だ。

◇:僕が予想するに彼は火属性の魔法陣・水属性の魔法陣・雷属性の魔法陣を扱えるところから考えてもあの形態はあと2種類はあるだろうね。

◇:なにだれでも予想できることを偉そうぶって言ってんだよ?

◇:"僕が予想するに"じゃねえよ。オタクは黙ってろ。

◇:ぼ!?僕はオタクじゃない!?こ!?殺すぞ!?

◇:そんなことよりジョン君は?

◇:水色仮面たんと赤色仮面たんは?

/////

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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