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第18話 第六階層

白仮面=六ノ宮海斗のもとに水色仮面=笹木綺亜蘭(きあら)と赤色仮面=本宮祥子が集結した。一同は綺亜蘭(きあら)の街型ダンジョン第一階層から第五階層までの攻略待ちをすること半月ほど。その攻略スピードは海斗を上回っていた。

/////

「すごいな綺亜蘭(きあら)ちゃん。俺よりも速いよ」

「速さに関しては海斗さんのアドバイスもあってですから」

「誇っていいわよ。私も少しは体験したけどあそこの魔物たちは世間で言われている通りのレベルの高さだったから」


半月前はいがみ合っていた両者も共に暮らすことで仲を深めたのか今では2人で出かけたり綺亜蘭(きあら)の勉強を祥子が見るといったぐらいには仲が良くなった。


「ありがとうございます。でもそこにすぐに順応してたのは誰ですか?」

「まさか祥子にあんな才能があったなんてな?」

「それは私が一番驚いてるよ。昔から争いごとからは無縁だったから」


どうやら祥子には(たぐ)いまれなる戦闘センスが眠っていたらしい。祥子が体験で入った街型ダンジョンの第一階層。そこは海斗でさえ初見では手こずりあたふたしたのだが祥子は即座に適応。能力である「霊刀・黄泉比良坂(よもつひらさか)」でバッサバッサと魔物を切り裂いて回る姿は熟練の剣士そのものだった。


「まあ、なにはともわれ祥子の才能の高さには感謝だな。 さて行こうか2人とも」

「「はい!/ええ」」


こうして海斗が扉を開くとそこは街型ダンジョンの第五階層。そこから公園の中央にある階段を上り一同は第六階層へとやってきた。


「ここは……」

「バウ~」

「なんだか素敵なところね。ヨーロッパみたい」

「そうですね。街並みがどこかロンドンに似てる印象を受けます」

「にゃ~」


当たり前のようにロンドンに通いなれているかのように答えた笹木家の令嬢の綺亜蘭(きあら)。その綺亜蘭(きあら)や祥子が口にしたとおり第六階層に広がっていたのはロンドンを思わせる街並み・風景だった。そう感じさせている最たるものこそが川の上をまたぐ橋=ロンドン橋と時計塔=ビックベンだった。


「ですがロンドン橋もビックベンも似ているだけで若干違いますけど」

「だね。 そもそも俺の記憶が正しかったらロンドン橋もビックベンも4つなかったはずだし」


そう。海斗の言葉通りロンドン橋に似ている橋もビックベンに似ている時計塔も4つ存在していた。それらは中央に存在する海斗たちに対して円を描くように川が流れ上下左右に橋が架かりその先に時計塔が存在した。


「問題はどこに階段があるかだけど……やっぱり怪しいのは時計塔か……」

「そうね。それ以外にも建物はあるけど4つも同じ建物があるっていうのが気になるし」

「一度行ってみましょうか。配置はどうしますか?」


綺亜蘭(きあら)からダンジョンでの戦闘の配置を聞かれた海斗はそこまで考えていなかったため悩む。


「配置か~……ジョン以外に人と一緒に行ったことがなかったから考えてなかったな」

「バウバウ」

「じゃあ単純にか、じゃなかった。 白仮面以外は近接の能力だから白仮面が後ろで私たちが前に行きましょうか?」


祥子は能力的に魔法陣で遠距離が主体の海斗が後方でそれ以外のジョン・綺亜蘭(きあら)・にゃーちゃん・祥子が前線を務めるという図式を提案した。


「う~ん……ちょっと俺に任せてくれないかな?もうすぐでレベルが1.000に到達しそうなんだよ」

「そういえば今のレベルはどれぐらいなの?」

「俺は987だな。2人は?」


それにより綺亜蘭(きあら)は832であり祥子が2人はよりも低い516だった。


「もしかしたら1.000に到達すると新しい魔法陣が使えるかもしれないからそれを検証したいんだ」

「わかった。でも危ないと思ったら助けに入るからね?」

「気を付けてください海斗さん」

「にゃ~」

「バウバウ!」


そうして海斗たちは右側の橋を渡る。すると海斗たちの予想では時計塔でなにかあると考えられていたが3人と2匹が橋に入ると後ろが遮断され前方に大人の半身ほどはありそうな青い蛇がいくつも現れた。


「「「シャー!」」」


青い蛇たちは一斉に口から青い炎を放つ。


ボワー!


「それじゃあ俺の経験値になってもらおうか!」


海斗は迎撃するように複数の火の魔法陣を展開し青炎放射(ブルーバースト)を放つ。


ボガーン!


それぞれの青い炎がぶつかり煙が発生。海斗の周囲はなにも見えない状態。


「海斗!?」

「海斗さん!?」


その状況に心配となりすかさず助けに入ろうとする祥子と綺亜蘭(きあら)


「バウ!バウバウ!」


しかしそれをジョンが鳴くことで制止される。それはまるで信じろとでも言っているように2人は受け取った。


「そうだね……信じないとね……」

「海斗さんなら……必ず……」


2人は海斗を信頼しその場で立ち止まる。見つめる先は煙の中。

/////

一方でその煙の中では次々に現れる青い蛇に海斗は苦戦していた。


「シャー!」

雷閃弓(サンダーボウ)!」


パシュン!


煙の中から突如として現れた青い蛇を最速の雷の魔法陣で対処。


「「シャー!」」


しかしそれを対処していると背後から数体の蛇が一度に襲い掛かる。


「くっ!?魔法陣盾(マジックシールド)!」


雷の魔法陣すら間に合わないと判断した海斗は防御に回る。


「くそっ!?こっちからは見えないのに蛇たちは的確に俺を攻撃してくるし!?ズルだろ!?」

「「シャー!」」


煙で視界が効かない中でも蛇たちはその蛇特有の生態によって的確に海斗に襲い掛かる。それは直接だけでなく隙を見て青い炎を放ったりも。


「初手ミスった!?相手に有利な環境を作ってどうすんだよ!?螺旋凍線(スクリューレーザー)!」


追いつめられる海斗。海斗は独り言をいえているが以外と追い詰められていた。蛇のスピードは思いのほか速く近距離にならないとどこから現れるかもわからず定期的に青い炎がやってくるので注意が必要。


海斗が言った通り初めに蛇の青い炎を自身の青い炎で迎撃したこと自体が悪手となって海斗を確実に苦しめていた。


だがここで海斗が求めていたことが起こる。


「あともう少し!もう少しで!」

「シャー!」


目標の1.000レベルにもう少しで手が届くというところで希望が見えた影響かわずかに気が緩んでしまった。警戒が薄くなり海斗の刺客から一体の蛇が首筋にかみつく。


ガブ!


「っ!?青炎放射(ブルーバースト)……」


ボウ!


なんとか海斗は首に嚙みついた蛇を倒すことができたが首をかまれたケガにより海斗は膝をつく。


「ぐっ!?」


その弱った海斗を好機と捉えた蛇たちは一斉に膝をつき苦しんでいる海斗に襲い掛かる。


「「「シャー!!!」」」


海斗、万事休す。しかし苦しみながらも倒した蛇が目標に必要だった最後の1体だったらしい。


【レベルが2上がりました。現在のレベルは1.000です。1.000レベルに到達したことにより魔法陣に新たな力が発現します】


ここから海斗は一気に探索者の頂点である【神域者(ディアファイド)】に向かって加速する。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
こんばんは。 大ピンチ、でもようやく目標レベル…これは少年漫画的な熱い展開ですね!果たして新たな力とは…? そう言えばリーダーの海斗さんが白・仲間の二人が水色と赤……こうなるとやはり『忍者戦隊カクレ…
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