表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

第13話 海斗の影響

また数日後。その日は散歩からの帰宅中。


「今日はなにもなくてよかったな。ジョン」

「わふん」


数日前に時雨(しぐれ)メロウの件があったがこの日の散歩は平和そのものだった。


「まあさすがに"黒服に追われている女性"なんて変な事態はそうそう無いだろうけどな」

「わふわふ」

「明日からは近くの低級ダンジョンに挑戦するぞ。ゆっくり地道に強くなろうな?ジョン」

「わふん!わんわん!」


相変わらず第五階層に苦戦中の海斗は結局は一から頑張ろうと考え低級ダンジョンから順番に挑戦していくことに決めた。


だけどそれは()()()との出会いで変わることになる。


「海斗さん!」

「ん?」


後ろからの呼びかけに海斗が振り返るとそこには笹木綺亜蘭(きあら)がいた。この子は矢島陣という白仮面に心を折られた男にナンパされていたところを海斗が助けた事があった。


その綺亜蘭(きあら)はシェーリエール女学園というお嬢様学校に通っている女子高生。しかし海斗が出会った時と綺亜蘭(きあら)の様子は激変していた。


「君は……綺亜蘭(きあら)ちゃん、だよな?」

「もちろんです。お忘れですか?」

「いや、忘れてはないけど…なんというかその……随分とワイルドになったね?」


綺亜蘭(きあら)は海斗と出会った時とは違い私服姿。その服は動きやすい服装で()()を携帯している。さらに腕や脚など見えている箇所にはいくつもの切り傷が存在していた。


「まさか……綺亜蘭(きあら)ちゃんは探索者になったのかい?」

「はい!海斗さんのアドバイスで探索者になる決意を固めたんです!強くなって自分の身を自分で守れるように!」

「そ、そうなんだ」


綺亜蘭(きあら)はキラキラした眼で海斗を見ていたが海斗としては罪悪感に(むしば)まれていた。


「(いやいや。親はなにしてんだよ?成人してんならともかく17歳の娘を死ぬ危険性の高い探索者になることを許可したのか?お金持ちってそこら辺とかに厳しいイメージがあるんだけど?)」

「どうかしましたか?」

「ああ、いや……ご両親は綺亜蘭(きあら)ちゃんが探索者になったことを知っているのかな?」

「はい!ダンジョンへ挑戦したい旨をお父様とお母様に伝えたところお父様の説得に難航しましたがなんとか許可が降りました!」

「(なんで許可してんだよ)護衛とかは?」

「いません!護衛がいると頼ってしまうかもしれないので!1人です!」

「(頼ったらいいじゃん)」

「毎日傷が絶えなくてお母様からも心配されていますが確実に強くなっている実感が出来て嬉しいです!」


ちなみにレベルはまだ数日なため19らしい。


「(う〜ん……若い女の子がダンジョンに挑んで生傷が絶えない生活を送っている……いくらご両親が許したとはいえこれで死なれたら罪悪感で逆に死にそう……)ちょうどいいか」

「なにがちょうどいいのですか?」

「実は相談したい事があるんだ」


こうして海斗は綺亜蘭(きあら)を仲間として勧誘してみることに決めた。

/////

海斗は綺亜蘭(きあら)に真実を話すために家に招待した。


「(ちょっと待て。女子高生を家に招くって通報案件か?)」


別の恐怖を抱きながらも海斗は綺亜蘭(きあら)を家に招待した。


「ここが海斗さんのお家なんですね」

「ああ。といっても俺が買ったわけじゃなくて両親が死ぬ前に購入した家を相続しただけなんだけどね」

「…ご両親を…」


海斗のなにげないその言葉に綺亜蘭(きあら)は悲しそうな・申し訳なさそうな表情となる。


「ああ、ごめん。余計なこと言った。両親が亡くなったのは数年前だしさすがに吹っ切れてるよ。大丈夫。 それよりも綺亜蘭(きあら)ちゃん?」

「はい?」

「誘った俺が言えたことじゃないけど男の家にホイホイとついてくるのは警戒心がなさすぎる」

「大丈夫です!海斗さんでなければ家には行きませんから!」

「(なんだか思ってるよりも慕われてる?一度会っただけなんだけどな?)」


そう悩む海斗だったが海斗にしても一度会っただけの女の子に街ダンジョンを教えようとしているあたり綺亜蘭(きあら)のことを多少なりとも信頼しているようだ。


「俺が綺亜蘭(きあら)を家に誘ったのは一緒にダンジョンに挑戦するためだ」

「はい!海斗さんと一緒にダンジョンに挑戦できるのが楽しみです!」

「そして俺たちが挑戦するダンジョンはこれだ」


そう言って海斗は家の中の街ダンジョンに続く扉を開く。


「うそ……家の中なのに公園が……まさか……」


綺亜蘭(きあら)が見覚えのある公園に驚きを隠せず扉を潜りダンジョンの中へ。


「改めて自己紹介だ綺亜蘭(きあら)。俺の名前は六ノ宮海斗。探索者としては白仮面と呼ばれている」


そう言って後ろを振り向いた綺亜蘭(きあら)が目にしたのは白い仮面を被った海斗だった。一応隣には大きくなったジョンもいる。


「海斗さんが……白仮面……」

「これから綺亜蘭(きあら)も一緒に挑戦するのなら仮面を被ってもらうことになるんだけどいいかな?」

「それは全然……ふふっ。やっぱり海斗さんがただ者じゃないと感じた私の目に狂いはなかったんですね!これからよろしくお願いします!白仮面さん!」

「ああ。よろしく仮面の仲間よ」


こうしてすぐに知ることになる世間は"白仮面に仲間が増えた"と大騒ぎ。名前も水色仮面と呼称されることになるのだがそのことに関して若干一名が激怒していた。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんにちは。 仮面仲間が増えましたな(笑) でもどうせなら色がバラけずにダウンタウ○さんの昔の番組のネタみたく…… 「白仮面!」 「水色仮面!」 「白仮面!」 「白仮面!」 「水色仮面!」 「五人揃…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ