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◇第10話 第五階層

第四階層の海水浴場ステージを攻略した海斗とジョンはそのまま第五階層へと足を進めた。


「ここは……公園か?」

「バウバウ!」


ジョンが公園を発見して興奮した様子で駆けその中へと入っていく。


「ちょっ!?ジョン!?待てって!?」


海斗もあわてて公園の中へ。その公園は出入口が十字に4ヶ所存在しすべり台があり・ブランコがあり・砂場がありの一般的な公園。範囲はそこまで広くなく公園の外は少し行くと壁となっているのが視覚でも理解できる。


「一見してどこかに階段があるようには見えないんだけどな?」

「わんわん!わんわん!」


不思議な階層に首をかしげる海斗に通常の大きさに戻り公園を走り回るジョン。


「第四階層は海の戦闘だったから陸の上を満足に走れなかったことにストレスがたまってたのか?」


元気に走り回るジョンを見てほっこりする海斗だったがこの第五階層が海斗にとって()()()()()となる。


ポン


そんな音を出しながらなんと子供が生まれた。


「なっ!?子供!?…って違うか。そんなわけないよな」


最初は突然の子供に驚きの声を発した海斗だったがすぐに冷静になり実際の子供ではないと判断する。


「おーい!おーい!………反応もないし触れないっと。 それにしても……常に無表情ってのが怖いな」


その子供は呼びかけても反応がなく触ろうとすると弾かれる。さらに表情は常に無表情で現在はブランコに乗って遊んでいる。


ポポポポポン


そうして次々と生まれてくる子供のような存在。その数は7人。最初はこの子供のような存在が魔物かと身構えた海斗だったが特に襲ってくる気配もなく楽しくなさそうに無表情で遊具で遊んでいるのみ。


「一体なにをしたらいいんだ?」

「バウ?」


その不可思議な状態にジョンも遊ぶのを中断し大型化して海斗の隣でお座り状態。海斗とジョンは十数秒ほど遊具で遊ぶ子供たちをぼうっと見ていた。すると突如として左の出入り口から魔物が姿を現した。


「魔物!」

「バウ!」


身構える海斗とジョンだったがその犬のような魔物は1人と1匹のほうにはいかずに一番近い子供のほうへと駆け出していく。


「危ない!?」


海斗の叫びも(むな)しくその子供は犬の魔物にかまれてしまう。


「うっ……偽物とわかっていても辛いものがあるな……」

「バウ~」


海斗とジョンが子供がやられた光景に顔をそらしていると今度は効果音がしてそのあとの言葉によってこの第五階層を理解する。


【ブー!子供が1人魔物に殺されました。よってチャレンジは失敗となります】


その言葉の内容にすぐには理解ができない海斗。


「は?チャレンジってなんの」


ブオン


すると海斗の視界はそれまでの公園の中ではなく第四階層から上がってきた公園の外の場所まで移動していた。


「これは……そういうことか?」

「バウ?」


なんとなく理解した海斗はジョンに説明をする。


「つまりだなジョン?この階層でやるべきことはさっきの子供たちを守ることなんだ」

「バウ~」


なるほど~と納得していそうなジョン。海斗は先ほどの声の内容により第五階層の進め方を理解した。そう、この階層では魔物たちが4つの出入り口のどこからか現れて海斗とジョンではなく子供たちに向かって襲い掛かる。海斗とジョンは魔物が出てこなくなるまで子供たちを守り切る必要があるということ。


「よ~し!これは遠距離が主体の俺の独壇場じゃないか?」


確かにどこから魔物が押し寄せてきても近づく必要がない海斗ならば接近する必要のあるジョンよりも第五階層のこのチャレンジの適正が高いのかもしれない。しかしこれは海斗が思っているよりも難易度が高いチャレンジだった。

/////

雷閃紫弓(ボルテックスボウ)!」


シュババババ!


中央に立つ海斗は左から現れた魔物たちに向かって紫の雷の矢を数本放ちそれは分裂し十数体いた魔物を殲滅した。


「くそっ!?多すぎるだろうが!?」

「ワンワン!?」

「今度はそっちか!?」


ジョンはスピード重視の形態により公園内を駆け回り海斗をサポート。魔物の討伐はもちろん魔物が現れたら海斗に知らせる役目も持つ。


雷閃弓(サンダーボウ)!」


パシュン!


子供に迫る一体の魔物に海斗は1本の雷の矢を放つ。


「ゲガッ!?ガガガ!!」


しかし本来なら威力は低い代わりに痺れさせる効果を持つそれはそのカエルのような魔物には効果が薄かったようだ。


「しまっ!?」


カエルの魔物は射程圏内に入ったと判断し舌を子供の方向へ伸ばす。慌てる海斗だったがジョンが助けに入る。


「ワン!」


ザシュ!


「ゲガー!?」


ジョンが見事カエルの魔物を討伐した。それによって子供は無事でありチャレンジは()()()()()()()


「ナイス!ジョン!」

「わんわん!?わわん!?」


ジョンにお礼を言う海斗だったがまだ()()()()()()()()()()()


慌てた様子のジョンにその方向を振り向くとそこにはすでに子供に向かって刃を振り下ろそうとしている骨の武士がいた。


「あ……」


海斗の一瞬の油断により子供は骨の武士によって斬られる結果になった。


【ブー!子供が1人魔物に殺されました。よってチャレンジは失敗となります】


こうして海斗は12回目となるチャレンジ失敗となった。

/////

◇:なんだよチャレンジって?

◇:こんなミニゲーム的なダンジョン見たことないんだけど?

◇:相変わらず変で面白そうなダンジョンだよな~

◇:誰かここを突き止めた人はいないの?

◇:いないから誰も配信してないんだろ

◇:いろいろ見て回りたいよな~。

◇:独占はずるいぞ白仮面!

/////

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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