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元アラフォーの俺、公爵家嫡男に転生する~何故かいつの間にかハーレムに~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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それぞれ

これにて、ひとまず話し合いは終わりだ。


空気が弛緩して、穏やかな雰囲気になる。


「それで、結局はどうなったのかしら?」


「要は、うちに来て良いってさ」


「お父様?」


「ああ、そういうことだ。セレナ、好きにやると良い」


「ほんと!? お父様、ありがとう!」


そう言い、オラン様に抱きつく。

その姿は子供らしくて、普段とのギャップあって可愛らしく見える。

どうやら、親子関係は悪くないようだ。


「責任は、アレク君が取ってくれるそうだから」


「え、ええ、できる限り」


「そ、そうよねっ! 責任取ってくれないと!」


「はいはい、わかったって」


……なんだ? 交渉は成功したはずなのに、なんだかしっくりこない。

何か、大きな勘違いをしているような……。


「さて……では、そろそろ仕事に戻るとしよう。すまないね、これでも忙しい身なもので」


「いえいえ、お時間をとらせてすみませんでした」


「いや、楽しい時間だったよ。ただ……私の許可はともかく、妻の許可は良いのかな?」


「うっ……母親としては心配ですよね」


あの人に会うのかぁ……いや、好きな方なんだけど。

どうにも、昔から頭が上がらない。

うちの母上とも、仲が良かったし。


「なら、ついでに挨拶していく?」


「そうするか……王城に何度もくるのはめんどいからなぁ」


「はは、君らしいね。私もできるなら、城になどきたくないものだ」


「気が合いますねー。やっぱり、部屋の中でのんびりするのが一番です」


「まったくだ。だからこそ、私は君を……いけない、仕事をしないと。私は先に行くが、好きにするといいよ。アレク君自身がどう思っているのかはわからないけど、この城の中で君の行動を制限できる人は私以外にはいない。だから、いつでも来てくれて構わない」


「……お気持ちは有難く受け取ります」


「うん、それで良いよ」


そして、ゆったりと部屋から出て行った。

相変わらず、掴み所がないというか……狸っぽいよな。

油断していると、いつのまにか化かされそうだ。


「……ふぅ、疲れたわ」


「ん? そうなのか? 随分と仲が良いと思ったが」


「そりゃ、そうよ。私だって、そんなに会えるわけじゃないし。それに、認めてもらえるか緊張してたから……」


「まあ、とりあえず良かったな。という訳で、次の休み辺りに来てくれるか?」


「ええ、もちろん。ただ、その前にお母様にも会っていくわよ」


「……そうなりますよねー」


「ほら、ささっといくわよ!」


ご機嫌になったセレナに手を引かれ、俺も部屋を出ていくのだった。







久しぶりに会ったが……相変わらず、面白い少年だな。


廊下を歩きながら、先程までの会話を思い出して笑いそうになる。


いくら身内とはいえ、私を前にして落ち着いた態度……それなりの気配を出した時も、飄々としていた。


これでも、この国のほとんどの者は恐縮する存在なのだが。


以前あったときは、あんなに堂々とはしていなかった。


……もう、猫を被る必要はないってことかな?


これは、シグルド殿の言ってた通りかもしれない。


「随分とご機嫌ですね?」


「そう見えるかね?」


「ええ、ここ最近では一番ですね」


「そうですか。確かに、久々にのんびり出来ましたね。セレナの可愛らしく、年相応なところも見れましたし」


「私も久々にああいうセレナ様を見れて嬉しくなりましたよ。立場があるとはいえ、子供らしく振る舞える相手は大事ですから」


やはり、セレナはアレク君が好きなようだ。

私自身は知らなかったが、妻からは昔からずっと好きだったとは聞いていたが。

私とて人の親なので、娘には好きな人と結婚してほしいと願うのは当然だ。


「その通りだね。私にとって、シグルド殿や君がいるように」


「恐縮です。それで、どうなさりますか?」


「今は、特に何もしなくて良いかな。あの感じなら、お膳立てさえすれば勝手に事が進みそうだ。下手に横槍を入れると、ろくな結果にならなそうだ。とりあえず、邪魔だけはさせないようにするけどね」


「ええ、それには同意します。私の方でも手を打っておきましょう。それにしても……なんだか雰囲気も変わりましたし……何より、前より強くなりましたね。おそらく、私と勝負しても良い勝負になるくらいに」


「……近衛最強と言われる君とですか? 流石に、それはないのでは?」


「無論、負けることはありませんが……この先はどうですかね。立ち姿や歩き方から変化がありました。一体、彼の身に何かあったのか気になるところです」


彼の人、もとい物事を見る目は確かだ。

つまり、それだけの強さを秘めているということ。

そして、それを今まで隠していたという事実。

それは、昨日のシグルド殿との会話にも繋がる。


『あやつは、どうやら力を隠しておったらしいわい。ったく、儂も耄碌したものよ。よくよく考えてみれば、優しい妻に似た子だというのに。一人息子に気を遣わせて……儂の名前は荷が重かったかのう』


『貴方の名前は強すぎですからね。本人まで優秀となると、争いになりかねませんし。まあ、私としてはアレク君に王位を継いでもらう予定はなかったですし。あれは、セレナの願いを叶えたまでなので』


『儂もその気はなかったが、あの第二王妃とボンクラ王太子がなぁ……あやつらがまともだったら、悩むことはないのだが。どうにかならんのか? なんなら、儂が出て行っても……』


『いや、それには及びません。すみません、私の怠慢ですね。政治にかまけて、子育てを失敗してしまいました。自分のことで精一杯だったとはいえ、お恥ずかしい限りです』


『いや、お主は良くやっとるよ。各種族との和解策や交流……あいつも褒めてくれるはずじゃ。それにどんなアレであろうと、息子が可愛いのは仕方あるまい』


『そうだと良いですが……何より、これ以上貴方に負担はかけられませんからね。すでに大恩があるのですから。私がしっかりしないせいで……』


『気にするでない。儂は、お主の父と約束した。お主が立派に成長するまでは、後ろで支えてやってくれと。それが、亡き友との約束じゃった』


『……ありがとうございます。では、今度は私が貴方の息子の力になりましょう』


『いや、今のあやつなら自分でどうにかしてしまいそうじゃわい。儂等は、けつだけ拭いてやるとしよう』


……そのような会話をしましたね。


とりあえず、今は静かに見守るとしましょうか。

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