予定
休憩時間中に、隣にいるメルルとお話をする。
ちなみに噂からか、クラスのみんなも注目している。
まあ、特に気にしなくて良いかな。
これでメルルを無視する方が可哀想だし、俺の評判は今更だしね。
「メルル、一昨日はありがとね。妹のマリアが喜んでたよ、また来てくださいって」
「ほ、ほんとですか? えへへ、嬉しいです。では、またお邪魔させてもらいますね」
ほほ
「うん、そうしてくれると助かるかな。こっちから頼みたいくらいだし」
「そ、そうなんですか? その時は……アレク君もいますか?」
「うん? そりゃ、いるでしょ」
俺はできるだけ家から出たくないし。
というか、だらだらしたいので出たくありません!
「そ、そうなんですね」
「あっ、もしかしていない方がいい?」
「い、いえ! いてください!」
「わ、わかった」
まあ、そりゃ緊張するよなぁ。
一応、公爵家の家だしね。
すると、セレナがこちらに向かってくる。
「き、聞いてたわよ」
「うん?」
「私も行っても良いわ……その、マリアとも会ってないし」
「ああ、そうだな。マリアも会いたがってるから来てくれると助かる」
「っ……任せなさい!」
そう言い、嬉しそうな表情を浮かべた。
あの二人も仲よかったから、俺のせいで会えなくなるのは可哀想だ。
メルルもリラックスできるし、こっちとしては渡りに船ってとこかな。
その後、お昼休みなったので四人で食事を取る。
女子二人は楽しそうに話しており、俺とトールはそれを聴きながら黙々と飯を食う。
「セレナさん、今日は部活ありますか?」
「ええ、あるわよ。少しずつ人族にも慣れていかないと。というか、メルルも水臭いわ。一昨日、私のことを誘えば良かったのに。もちろん、私も毎回応えられるわけじゃないけど……」
「ご、ごめんなさい。誘って良いのかわからなくて……次からは誘いますっ」
「ふふ、楽しみにしてるわ」
ウンウン、美少女二人が仲良くしてるのは眺めるだけでもいいね。
メルルはもちろんだけど、セレナも美人さんだし。
こう、見てるだけで良いというか……うわぁ、オヤジ臭いセリフ。
ここら辺も含めて、今の俺はアンバランスな感じがするなぁ。
「そういえば、アレクはどうするんだ? 今日こそ、乗馬に来るか?」
「あぁーでも、運動って感じではないしなぁ。今日のところは、テニス部のところに行くよ」
「あら、そうなの? じゃあ、今日は三人で一緒に行けるわね。そうだ、そのうちアレクの家にもいかないと。もちろん、メルルと一緒に」
「えへへ、賑やかになりそうです」
……何か忘れてるような気がする。
セレナに言わなきゃいけないことが……あっ。
「あっ、それに関して一つ問題が……」
「なによ?」
「お前のんところの親父さん……つまり、国王陛下的には平気なのか? その、元婚約者である俺の家に来ることについて」
「……あっ」
「あっ、じゃないよ。俺は目をつけられるのは嫌だからな。ただでさえ、こっちの立場は悪いんだから」
そう、これこそが重大である。
なにせ、婚約解消をしたのはセレナの父親……つまり、国王陛下ってことだ。
すでに遅いが、これ以上心象が悪くなるのは勘弁である。
「そ、それはそうだけど……どうしたらいいかしら」
「……とりあえず、俺が挨拶に行くよ」
「……えっ? ど、どういうこと?」
「別にどうってことはないさ。うちのマリアが寂しがってるから、遊びに連れてって良いですか?ってね。あと、謝りにでも行こうかと」
元はと言えば、俺が婚約解消されるような男だったから悪いわけだし。
だったら、それくらいはしないと。
「そ、そうよね! そうすれば、お父様も許してくれると思うわ……えへへ、もしかしたらそれ以上のことも」
「はい?」
「な、なんでもないわ! とにかく、お父様には私から連絡をしておくから」
「ああ、よろしく頼む」
さて、あの国王陛下と会うのか。
今の俺なら、何とかなりそうな気もするが……さて、どうなるやら。




