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元アラフォーの俺、公爵家嫡男に転生する~何故かいつの間にかハーレムに~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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最強は?

 ……ひ、ひどい目に遭った。


 なんで、俺がこんな目に……あのクソ親父めぇぇ。


 俺は体力の限界で、噴水広場のど真ん中で大の字になる。


「ゼェ、ゼェ……クソ親父が」


「ほほう? まだ意識があるのか? ……アレクよ、何かあったかのう?」


「な、何が……?」


「いや、お主の剣の腕と体の使い方が劇的に変わった。儂がいない間に、どんだ特訓をしたのだ?」


「そ、そんなの……してねえよ。俺はいつも通りに、ダラダラしてただけだし」


 だが、心当たりはある。

 前世の俺は、長年剣道をやっていた。

 おそらく、その記憶が蘇ったことで体の使い方が変わったのだろう。

 剣道の型である五行は、先達の方々のおかげで完成されている。

 それを効率的に学んだ俺は、この世界において剣の腕が上がったかもしれない。


「ふむふむ……これは儂の目が曇っていたかのう。まさか、息子の力を量りちがえるとは」


「な、何を言ってるんだ?」


「いや、答えなくとも良い。やれやれ、儂も耄碌したものだ……すまんな、アレクよ」


「だから意味がわからないって……」


「とにかく、今日はこれで勘弁してやる。さあ、可愛い娘が待つ家に帰るぞ」


 そう言い、軽快なな動きで俺を置いて歩き出す。

 いやいや、どんなバケモンだよ。

 国境から帰ってきて、俺と追いかけっこして……まだまだ元気だ。

 還暦を迎えたとはいえ、これが英雄シグルドか。

 確か、竜人族と獣人族の最強戦士に勝ったとか……そのおかげで戦争を回避できたらしい。


「あの〜ここにも一歩も動けない可愛い息子がいるんですが?」


「知らん。男は自分でなんとかしろ」


「ぐぬぬっ……」


「では、儂は家に帰る。まったく、お前のせいでマリアに会うのが遅くなったわい……マリアよ! お父さんは帰るぞ!」


 そう言い、今度こそ俺を置いて歩いていく。

 すると、周りの人々が何事もなかったかのように元に戻る。

 そんな中、カエラがひょっこり現れる。


「あらー、随分とやられましたね?」


「は、薄情者めぇ……」


「いやいや、アレに立ち入るのは無理ですって。というか、私が助けに入ったら火に油を注ぐようなものですし」


「まあ、そうだけど。おなごに手を借りるとは何事だとか言いそう」


「ふふ、絶対そうですよ。さあ、私達も帰りましょ? 今なら手を貸しますから」


「……へいへい」


 カエラに引っ張られ、身体を起き上がらせる。

 全身がだるく、絶対に明日は酷いことになりそう。


「いやぁー、相変わらずでしたね」


「全くだ、アレで還暦を過ぎてるっていうのが恐ろしい。一体、いつまで元気なんだか」


「ふふ、良いじゃないですか。旦那様がいると、お嬢様も喜びますから」


「それもあるが……お前もだろ?」


「まあ、そうですねー」


 さっきから分かりやすく上機嫌だ。

 当然の話で、実際にカエラの命を救ったのは親父だ。

 その親父の息子だから、俺に仕えてるに過ぎない。

 無論、家族だとは思ってくれてるだろうけど。


「お前は親父が好きだからなー」


「……もう、本当に馬鹿なんですね。それとこれとは話が違うのに」


「はい? 何がだ?」


「いえいえ、何でもないですよー。旦那様には、もっとしごいてもらわないといけませんね」


「なぜそうなった!?」


「ふふ、それは自分の心に聞いてくださいね」


「ぐぬぬ、訳がわからん……」


「いいから帰りましょー」


 その後、カエラに肩を貸しもらい帰宅すると……。

 そこには、でかい身体を縮こまらせ、ちょこんと正座をした親父がいた。

 その目の前には、マリアがいる。


「お父様! 帰ってきて早々何事ですの! お兄様は、昨日頑張ったからお疲れだったのに!」


「し、しかしなぁ……あやつが……」


「メルルさんとは、私が遊んでもらったんです! お兄様は、それに付き合ってくれただけですの」


「そ、そうだったのか……だが、あやつはそんなこと一言も言っとらん」


「いつも、話を聞かないからですわ! どうせ、問答無用で斬りかかったのでしょう?」


「うっ、確かに……す、すまんのう」


 はい、目の前にいるのが英雄シグルドさんです。

 世界大戦に発展しそうなところを、竜人と獣人の各代表と一騎打ちをして勝ち、戦いを収めた英雄ですねー。

 肉体で劣る人族が勝つのは異常で、歴代最強の人族と呼ばれてるいるとか。

 ただ、娘の前では……ただの弱々しい親父です。


「へへーん! そうだそうだっ!」


「何をぉぉ! お仕置きが足りないようじゃな!」


「い、妹よ! たすけてぇぇ!」


「貴様! 妹に助けを求めるとは何事かっ!」


 すると、俺と親父の間にカエラが割って入る。

 その顔は珍しい焦った感じだ。


「カエラ! やはり主人を助けてくれるんだね!」


「むむっ……カエラよ、そこを退くがよい。儂は、こやつに鉄拳制裁をくわえねばならん」


「い、いえ……お二人共、その辺にしといた方がいいかと。その……お嬢様が」


「「ん??」」


 その言葉に、俺と親父が同時にマリアを見ると、マリアは下を向いてプルプルしていた。

 そして、顔をあげると……怒りに染まっていた。


「お兄様! お父様! 二人共正座ですの!」


「「は、はいっ!!」」


 俺と親父は一斉に並んで正座の態勢に入る!


 ……最強は、どうやら妹らしい——これは世界共通かもね!


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