ステッドとスピカと年長組 1
OK、時を戻そう
話は少し遡る。
「ごめん、一旦街に帰るわ。スーちゃん、スピちゃん後よろしく」
シンディーはそういうと、お騒がせ冒険者パーティー、ファースト・ペンギン(以下、FP)の五人を連れてさっさと街に帰ってしまった。
残されたスピカたちは、腹を減らした冒険者たちに謝り倒していた。
「すいませーん。残りのお弁当が少し遅れます。ごめんなさーい」
美少女スピカは可愛らしさで。
「すいません。もう少しだけお待ちください」
ゴージャス・セレブ系美女のパメラ・the・グレートはお辞儀しながら、そのグレートな部分を強調して。
流石は水商売の人はその辺は上手い。ゲイバーのママってのは秘密にしておこう。
「「「で、文句はないよなぁ?あぁ!?」」」
それでも文句を言う奴らは、ステッドとドラスネーとナガトの三人の大男が迫力で黙らせる。
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「ところで、ステッドちゃん。やっぱりあんな男か女か解らんのがえーのかなも?」
「まだ言ってんですか?いいからレポートまとめてください」
「巨大姉兄さまモテモテですね」
「面白がらんでといて!それにしても、やっぱりゴブリンは増えてるみたいやなぁ」
「増えてるから、遭遇も増える。恐怖症も増える。ここまでは誰でも解るんだけど、何故かとか、どれくらいとか、まだまだ調べないと」
昼休みのうちに、各チームで大体の調査結果をまとめてもらう。
と、そこへ奇妙な杖を持ったエルフが騒々しくやってくる。
「デカ長!デカ長ー!」
「シンディーなら、所用で街に行っとるなも。お弁当ならもう少し待っとりゃー」
「違うんです。来てください」
「仕方にゃーなも。ワシらがちょっと見てくるなも」
ドラスネーと新日ドラゴンズが向かおうとした時、また別の方から違うパーティーの声が聞こえる。
「デカ長!ゴブリンの大群がこちらに向かって移動している模様です。さっき、数匹の先行部隊と遭遇しました」
「そうか分かったなも。すまんエルフくん、緊急じゃ無いなら、後にしてちょー!
強行偵察班、出撃!それからメイジは空から見て来てちょー」
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「こりゃーエラいモンだなも」
「巣別れの群れで間違いないちゃ。にしてもこれだけの大群はあまりみないちゃ」
「スピちゃん、通信魔道具で連絡。全員本部に静かに帰って来てください。森の東南東からゴブリンの大群。エンカウントは約一時間後と予想」
魔法の水晶玉に映された画像は、この人数ではやや荷が重い数であった。




