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あんまり無茶するなっての

「ごめん、一旦街に帰るわ。スーちゃん、スピちゃん後よろしく。【瞬間帰省(キメラ〇ツバサ)】」


 シンディーはそういうと、お騒がせ冒険者パーティー、ファースト・ペンギン(以下、FP)の五人を連れてさっさと街に帰ってしまった。


「すいませーん。残りのお弁当が少し遅れます。ごめんなさーい」


 こういう時は幼気(いたいけ)美少女アバターはスピカちゃんの出番である。これで後一時間くらいは暴動は起きないだろう。

 まぁ、中の人が一般的日本人な冒険者(プレイヤーキャラクタ)たちが、そうそう暴れだすはずもないけどね………ないよね?


□■□■□■□■


 街に戻って最初に連れて来たのは、裏町の『ジャスターズ・バー』だ。FPたちの所属するクランの本拠地である。

 FP達は全員顔を青くしていた。

 ここは尊敬し崇拝する親分(ボス)の居城だ。

 「親に言いつける」「学校に言いつける」、ゲーム世界においては「クラン・マスターに言いつける」中高生にとってはリアルかつ最大限の恐怖だろう。

 シンディーは相変わらずズカズカと無遠慮に店に入っていく。しかたなくFPの五人は後に続く。


「ハーイ、ジョー。昼時にゴメンね。ちょっと頼みがあるの」

「ランチ食ってるだけだ、構わんよ。で、なんだ?」

「彼ら。あんたの所のファースト・ペンギンよ。ソーサラーがゴブリン恐怖症をになったみたいなの。カウンセリングしてあげて」

「そう言うの苦手なんだけどな。OKやってみよう」


 公共心に乏しいジョーも流石に身内だと邪見にはできないようだ。


「それから、みんなに過剰な火力に頼りすぎないよう言っといて。なんか自然破壊が酷くなってるみたいだから。

 はい、次行くよ」


 ソーサラーだけを残して、さっさと出ていく。


「解った…って、ランチぐらい食ってけよかばい」


□■□■□■□■


 次に来たのは『冒険者の宿』だ。


「ハーイ。ごめんね。厨房に用事。うん、おねがい」


「あれ、どうした?何か問題か?」


 ギルマスがやってきた。


「うん、お弁当がゴブリンにやられてね。こんだけ追加お願い」

「え?」

「嘘ではないでしょ」


 こっそりウィンクする。 


「いいけど、追加料金もらうぞ」

「OK、それは彼らが出すから」

「ちょっと、シンディーさん…いえ、何でもないです」


 シンディーは只微笑んでリーダーに近づいているだけだ。

 メンバーの紅一点、修道女が慌てたように割って入る。


「ちょっと、なんですか。あなた、さっきから。近づきすぎでしょ」

「いやまぁ。話を円滑に進めるためには女子力でもなんでも使って」

「あなたのは、女子力ではなくて色仕掛け力です。フェミさんにバレたら炎上しますよ」

「うまいこと言う」


 かなりご機嫌斜めだ。

「それになんですか?言いつけるでも、怒るでもなく。恩を売るつもり?なら無駄ですよ!」

「面倒なだけよ」

「急がないと、調査の人たち腹減らしてるぞ」

「ペガサス使うわ。その料金も彼らにつけといて」

「ちょっと、シンディーさん…もぅいいです」


 そして、森に戻ってみると…とんでもない事になっていた。

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