相談にのってくれそうな人 1
「お前の挑戦、いつでも受けてやるからな!いつでもかかって来い!」
「「「「うおおおおお!!!」」」
聴衆盛り上がる。
拡声魔道具を渡す。
「いつでもやってやるからなコラ!逃げるなよコラ!お前は逃げる男じゃないよなコラ!」
「「「「うおおおおお!!!」」」
聴衆盛り上がる。
拡声魔道具を渡す。
「いつでもやってやるからな!いつでも取りに来い!」
「「「「うおおおおお!!!」」」
聴衆盛り上がる。
拡声魔道具を渡す。
「俺はお前の噛ませ犬じゃねーぞコラ!」
「「「「うおおおおお!!!」」」
聴衆盛り上がる。
拡声魔道具を渡す。(以下繰り返し)
〇□〇□〇□〇□
戦士を中心にした見るからに脳筋な人たちの集団が、二つに分かれて何か罵り合っていた。
「えーと。あの人たち、いつまでやってるの?」
あきれ顔のシンディー。
「おおお!燃えるっと!」
なんか楽しそうなスピカ。
「そのうち力尽きるやろ」
慣れた感じのステッド。
「抗争が盛り上がっとーとたい!」
「…に、しては仲良く拡声魔道具を渡しあっとるやん?」
「それは言わない約束やん」
〇□〇□〇□〇□
「いつまでも終わらないようですけど?」
「しまった!異世界転移で体力のパラメーター変わっとるの忘れてた」
「スーちゃんさぁ?薄々感ずいてたけど。腐女子でプ女子だよね?筋肉は多けりゃ多いほどいいってタイプやよね?」
「なんやん?あんたも胸大きいの好きって割には、Bカップで巨乳扱いやんなぁ?最初嫌味か思た。
あんたの歴代元カノ、どんだけ貧乳揃いやったん?」
「歴代言うほど多ないわい!俺史上一番くびれとたん、スーちゃんやからしゃーないやん」
「痴話げんかと惚気同時にやるとは器用な夫婦漫才たい」
マイクパフォーマンスに熱中していた聴衆も、いつの間にかシンディーとステッドの周りに集まっていた。
ヒゲ面の大男と美女のセリフが入れ替わってないかと思いながら。
〇□〇□〇□〇□
「こちらは、冒険者パーティー『新日ドラゴンズ』のリーダー。ドラスネー・SEさん。愛知県の中古車販売店の引退した元社長。孫と遊ぶためにゲームを始めたんだって。
こっちは、『e進軍』のナガト・ストレングスさん。同じ感じの山口県の造園業の元親方さん。」
「シンディー・マーチンです。よろしくお願いします」
狂茶隊はスーちゃんの紹介で、人生経験豊富そうな人物たちに面会を求めていた。
「スーちゃんちょっとこっち来やー」
なぜか、スーちゃんだけ隅っこの方に呼ばれる。
「恋人一遍見てやるって言うたけど、あんな細っこいのが好みかなも?」
「あんな男か女か解らんの碌なもんじゃないちゃ」
「いや、今日はそういう用事できたんじゃ…」
〇□〇□〇□〇□
「この結婚は許さんなも!」
「この娘は、君には嫁にやらんちゃ!」
「何の話やー!?」
心配のあまり妙に先走るのは田舎の親父あるあるである。
〇□〇□〇□〇□
なんとか、冒険者の宿で若い人たちの相談にのってくれるよう約束を取り付けて、次に行く。
「スーちゃん。意外と親父に愛されとるなぁ」
「妬かない妬かない」




